ウィーワークが米上場=SPAC活用、ソフトバンクGが支援
2021年10月22日 06時55分
AFP時事
【ニューヨーク時事】米シェアオフィス大手のウィーワークは21日、特別買収目的会社(SPAC)との合併を通じ、ニューヨーク証券取引所に上場した。2019年に経営難が表面化し、いったん上場計画を撤回。大株主のソフトバンクグループ(SBG)<9984>が巨額の金融支援を実施し、再建を進めていた。
初値は11.28ドル。その後も買いが先行し、終値は11.78ドルとなり、合併したSPACの前日終値(10.38ドル)からは13.5%上昇した。終値を基に計算した時価総額は93億ドル(1兆0600億円)だった。今回の上場によって13億ドルを調達した。
経営難が発覚する前の前回上場計画時には、企業価値は470億ドルと見積もられており、8割程度低下したことになる。
ウィーワークは、ニューマン前会長らが10年に創業し、ベンチャー企業や個人事業主の需要を取り込み急成長した。ただ、19年に前会長による不透明な企業統治(コーポレート・ガバナンス)が発覚。経営が悪化し、資金繰り難に陥った。SBGは、経営陣を入れ替え、立て直しに乗り出していた。
ウィーワークの4~6月の純損益は、オフィスの稼働率の低迷などが響き、9億2300万ドルの赤字だった。稼働率は6月末の52%から9月末時点で6割程度まで上昇。月次の売上高も9月まで5カ月連続で前月比で増加し、回復傾向にある。(了)