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年内上値3万3000円が最多=懸念は米中経済とコロナ―時事・株価フォーキャスト

2021年10月04日 14時00分

 

 時事通信は10~12月の日経平均株価の見通しと年末の終値予想について市場関係者にアンケートを行い、29人から回答を得た。年末まで3カ月間の日経平均の上限は、最多の8人が「3万3000円」と予測。懸念材料として、米中経済の動向や新型コロナウイルスの感染再拡大が挙げられた。

 調査は自民党総裁選の結果を踏まえ、9月29~30日に実施した。

 年末までの上限は、過半数が3万2000円以上と予想。上限に達する条件としては、企業の業績回復を挙げる声が最も多く、新型コロナの感染抑制や衆院選での与党勝利が必要との指摘も目立った。新政権に大型経済対策を期待する向きもあった。

 予想レンジの下限は2万8000円に9人が集中。下限に至る条件は、中国恒大集団の経営危機や電力不足などによる中国経済の減速、米国での長期金利上昇が多かった。コロナ感染再拡大を挙げる回答もあった。

 年末の日経平均は3万1000円の予想が8人と最も多かった。3万円以上が大半を占め、3人は足元を大幅に上回る3万3000円とした。一方、5人は2万7000~2万9500円を見込んだ。(了)

 


【 市場関係者の日経平均予想一覧 】

 市場関係者へのアンケート結果は以下の通り。調査は9月29~30日に実施した。
 ①日経平均株価の10~12月の予想レンジ
 ②上限実現の条件
 ③下限実現の条件
 ④大納会の終値予想

◆市川雅浩・三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト

①2万8500~3万4500円
②国内では、衆院選での与党圧勝、経済対策のポジティブサプライズ、中間決算で多くの企業が業績予想を上方修正、コロナ感染抑制と経済活動再開。海外では、米インフレ懸念の後退とダウ平均など主要3指数の最高値更新、中国恒大集団問題の沈静化、世界的なコロナの感染収束と経済活動再開の進展。
③国内では、衆院選での与党苦戦、中間決算で多くの企業が業績に慎重な見方を維持、コロナ感染再拡大で緊急事態宣言発令。海外では、米インフレ懸念の強まりとダウ平均など主要3指数の大幅調整、中国恒大集団問題の悪化と信用リスクの拡大、世界的なコロナの感染再拡大と経済活動再開の遅れ。
④3万1200円

◆三宅一弘・レオス・キャピタルワークス経済調査室長
①2万8000~3万4000円
②新型コロナの沈静化と景気対策などで先行きの景気の大幅好転、業績上方修正期待。衆院選で自民党が絶対安定多数以上獲得、政権基盤強化。
③外部環境悪化(中国リスクの勃発、米国株急落など)。新型コロナ感染者急増などで国内景気の悪化。衆院選で自民党が過半数割れ(敗北)、政権基盤弱体化。
④3万3000円

◆圷正嗣・SMBC日興証券チーフ株式ストラテジスト
①2万9000~3万3000円
②衆院選での与党勝利でPER上昇。雇用回復に伴う米金利の緩やかな上昇。抗ウイルス剤の開発成功で脱パンデミックの道筋が見える。
③世界的なインフレ傾向の長期化で成長期待が剥落。中国経済の想定以上の下押しで、日本企業の業績を押し下げる。
④3万2000円

◆伊井哲朗・コモンズ投信社長
①2万9000~3万3000円
②EPS2200円、PER15倍。コロナ感染者減少を受けた経済のリオープンで内需型企業の業績見通しが明るくなると予想している。日本株は米国との対比で出遅れを修正する余地が大きい。
③大きく下がるとは思っていない。
④3万3000円

◆仙石誠・東海東京調査センターシニアエクイティマーケットアナリスト
①2万9000~3万3000円
②日本企業の中間決算で想定を上回る上方修正が発表され、株主還元が強化されること。
③米国や中国で景気が悪化すること。
④3万2500円

◆黒瀬浩一・りそなアセットマネジメント・チーフ・ストラテジスト
①2万8000~3万3000円
②米国でテーパリングが始まり不透明感が減ずる。米国で債務上限問題が解決して景気対策も成立する。中国で恒大集団の経営危機解決などシステミックリスクが減ずる。日本でコロナ感染第6波は来ず景気が底打ちする。岸田政権が人事で自民党の刷新に成功する。
③コロナ感染第6波が来て、医療難民ゼロなど岸田首相の公約が空手形だったと判明する。岸田政権が組閣で守旧派と受け止められ衆院選で苦戦する。海外要因で不透明感がくすぶり続ける。欧州のようなエネルギー価格高騰が日本でも顕在化する。
④3万2000円(年内は悪い話は顕在化はしないという消極的楽観の見立て)

◆益嶋裕・マネックス証券マーケット・アナリスト
①2万8000~3万3000円
②岸田新首相による金融緩和+財政出動+構造改革というアベノミクス路線の継続スタンスの打ち出し。コロナの抑え込み継続。上記2点を背景とした景気回復および企業業績回復基調の継続。FRBの緩やかな引き締め姿勢に伴う米長期金利の緩やかな上昇または維持。
③岸田新首相が緊縮増税路線へ転換する。コロナによる重症患者数の大幅増加。FRBの急速な引き締め姿勢に伴う米長期金利の大幅上昇。中国恒大集団問題の深刻化。
④3万3000円(年末に向けた株高を想定)

◆壁谷洋和・大和証券チーフグローバルストラテジスト
①2万7000~3万3000円
②海外市場にさまざまな懸念材料がある中で、日本には岸田政権の発足をはじめとする政治の刷新や緊急事態宣言解除後の経済再開など、プラス材料が存在する。相対的に日本株の投資妙味が高まりそうで、日本市場がグローバルの投資マネーの受け皿になる可能性もある。秋口の投資には短期的に良好な成果を生みやすい季節性があることもポジティブ。
③想定外に米国金利が上昇したり、中国の景気不安が高まったりした場合には、日本株にもネガティブな影響が及ぶ可能性がある。年末に向けて新型コロナ流行の第6波が来れば、今回の上昇局面入り前の水準に逆戻りする可能性がある。
④3万1000円

◆新井洋子・三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフ・グローバル投資ストラテジスト
①2万7000~3万3000円
②新政権による財政出動が想定(数十兆~30兆円)を上回る規模となること。緊急事態宣言の解除を受け、超過貯蓄がサービス消費の拡大を強く後押しし、内需企業の業績回復が加速すること。足元で鈍化する中国景況感が当局の政策対応などで改善傾向に向かうこと。
③中国の電力供給不足などの長期化。半導体不足などによる減産に改善がみられないこと。商品市況高騰などによる企業利益率の低下。在庫不足による収益機会逸失の顕在化。
④3万1000円

◆向吉善秀・三菱UFJ国際投信シニアエコノミスト
①2万8000~3万3000円
②衆院選で自民が単独過半数を大きく上回る。経済正常化で7~9月の業績が上振れ、業績予想も上方修正。
③早期利上げ観測の強まりによるNYダウの大幅調整。中国の不動産不良債権問題。
④3万1500円

◆三井郁男・アイザワ証券投資顧問部ファンドマネージャー
①2万8500~3万2500円
②衆院選で自民党が過半数を大幅に上回る議席を獲得し、岸田首相による「構造改革」「規制緩和」への期待が持続し海外投資家を含む日本株の見直しが続く。ワクチン接種が順調に進み、経済正常化が進み内需産業が底打ちし、企業業績の改善が続く。大規模経済対策が実行され成長が加速する。
③米国経済がスタグフレーションに陥るリスクから金融市場が混乱する。中国が「共同富裕」実現に向け不動産バブル対応などで無秩序なデフォルトリスクが高まる。岸田新首相の改革推進期待が剥げる。
④3万2000円

◆服部誠・丸三証券専務
①2万7500~3万2500円
②新政権のもと実効性のある経済対策、構造改革を進める道筋が示され、秋の衆院選で自民党が議席数を増やすことで海外投資家の買いが本格化すること。行動制限の緩和により、内需が勢いを取り戻すこと。年度末に向け企業業績の上振れ期待が再度高まること。
③米国経済が低迷し米株市場が高値から10%を超える値幅調整となること。中国の信用収縮に伴う景気悪化がグローバル経済に波及すること。ドル高、金利上昇により新興国から資金流出が起きること。コロナ感染第6波の到来。
④3万1500円

◆福田理弘・フィデリティ投信インベストメント・ディレクター
①2万9000~3万2000円
②中間決算で業績が回復し、さらなる上方修正が確認される。リスク要因である米金利上昇が穏やかなものに収まる。インフレ上昇が徐々に落ち着き、米国の財政の崖の問題が騒がれても杞憂に終わる。トータルとして米国金利が急上昇せず、穏やかな上昇で済む。
③業績回復が順調ではない場合。コロナ第6波が来て、急速に感染者が増えるとセンチメントは厳しい。中国経済は初夏から鈍っているが、基本的には大丈夫だと考える。それほど減速させることなく政府が何らかの手を打ち、中国恒大集団の問題で不動産業界の多少の減速が起きても金融システム問題にはつながらないが、不安心理が高まる局面はこの数カ月であるだろう。あとは米金利が意外に上昇するケース。
④3万1000円

◆野坂晃一・証券ジャパン調査情報部副部長
①2万8500~3万2000円
②企業業績の上振れ期待の高まりから、PERなどの割安さが評価されること。
③米国の政府債務問題やインフレ懸念の高まり。
④3万1000円

◆小高貴久・野村証券シニア・ストラテジスト
①2万8000~3万2000円
②半導体不足で稼働率が低下していた電気機械業や完成車メーカーの挽回生産が年内に予想外に加速する。新政権の大型経済対策で実効性があるメニューが出てきて年内に成立する。7~9月期の決算発表を受けて業績の上方修正が加速する。以上の要因が複合的に出てくる場合。
③米国の金融政策の不透明さから長期金利が上昇。中国不動産市場の混乱(グローバルシステミックリスクになれば、もっと下げる)。新首相が金融所得課税強化指針を具体化して市場がこれを嫌気する。以上の要因が複合的に出てくる場合。
④3万2000円

◆北原奈緒美・内藤証券投資調査部シニア・アナリスト
①2万8000~3万2000円
②中間決算での業績改善の確認。製造業を中心に、通期業績予想の上方修正や配当予想を増額する企業が多くなりそうだ。
③中国の景気減速懸念の高まりから、一時的に下落する可能性はあるが、日本企業の収益力向上を反映し、大勢では株価上昇基調は変わらないだろう。
④3万2000円

◆山本信一・岡三証券シニアストラテジスト
①2万8000~3万2000円
②海外投資家の日本株買い本格化。7~9月期決算での好業績確認。
③インフレ懸念による米株調整。コロナ第6波。衆院選での与党大幅議席減。
④3万1000円

◆井出真吾・ニッセイ基礎研究所チーフ株式ストラテジスト
①2万9000~3万1500円
②中間決算で業績の上振れが確認できることはほぼ間違いない。国内では新型コロナの影響で停滞していた経済活動が再開に向かう。衆院選で与党が大幅に議席を減らすこともなさそうで、国内に特段悪材料もない。
③米国や中国の景気減速懸念が高まること。米国はテーパリングに向けて進むと考えられ、金利上昇を通じてハイテク株の重しとなろう。中国政府は企業活動を抑制する方向に動いている。英国でもオイルショックのような現象が起きるなど、海外に目を向けると環境は良くない。
④3万0000円

◆大塚竜太・東洋証券ストラテジスト
①2万9000~3万1500円
②企業業績は堅調だが、株価はまだそれを十分に織り込んでいない。業績を再評価する動きが続く。さらにコロナ禍で停滞した経済活動の再開が見え始めた。岸田氏の自民党総裁就任により新たな経済対策も打ち出されるだろう。
③中国リスクは株価下押し要因となり得る。電力不足や不動産企業の過剰債務。実際には対応が可能で、大きく売る必要はない問題だが、売り材料にされやすい。米国の連邦債務問題なども最終的には乗り切れると考えられるが、売りの口実にされやすい。
④3万1000円

◆大谷正之・証券ジャパン調査情報部部長
①2万8500~3万1500円
②企業業績の回復。全体としては更なる収益の上振れが期待され、割安感も高まる。2番目は政策。数十兆円規模ともされる経済対策は、重点分野に集中的に投下されると思われ、株価にはプラスに働く。海外投資家が日本株のウエートを引き上げていることもプラスだ。
③景気減速懸念。ただし、景気減速感が強まれば金利は低下する。財政出動への期待も出ると思われ、株価が大きく落ち込むことはないだろう。
④3万1500円

◆酒井一・水戸証券チーフファンドマネージャー
①2万8000~3万1500円
②衆院選で与党が大勝し、外国人投資家を中心に政策期待が高まる。かつ、中国不動産企業の債務問題や米国のインフレ懸念が高まらない。
③衆院選で与党が議席を大きく減らす。中国不動産企業の債務問題が中国景気を大きく落ち込ませ、世界経済への波及が不可避となる。景気減速懸念が高まる一方でインフレの高進が続き、FRBは緩和縮小路線を変えられない。
④3万1000円

◆糸島孝俊・ピクテ投信投資顧問ストラテジスト
①2万7500~3万1500円
②米国株式の年初来最高値更新。米長期金利の安定(ボックス圏の動き)。政権与党の支持率上昇(組閣や政策への期待、衆議院選での勝利)。中国の規制強化の緩和。
③米国株式の年初来安値更新(急落)。米長期金利の急上昇(今年の高値更新)。政権与党の支持率下落(衆院選での敗北など)。中国の規制強化によるリスク懸念の拡大。
④2万9500円

◆藤代宏一・第一生命経済研究所主任エコノミスト
①2万8500~3万1000円
②国内経済の回復が進んでいる。内需株はバリュエーションも高まっておらず、上昇余地がある。自動車など業績下振れリスクが指摘されていた業種にも底堅さが見られる。米国のインフレは供給制約によるところが小さくないため、FRBは利上げを急がない可能性がある。
③米金利上昇はリスク要因として残る。中国では電力不足が問題になっており、生産が停滞してサプライチェーンが混乱するかもしれない。
④3万0000円

◆馬渕治好・ブーケ・ド・フルーレット代表
①2万8500~3万1000円
②最大の要因は企業の収益改善。輸出・製造業中心に業績改善が進んでいるが、緊急事態の解除などを背景に、外食や旅行関連も徐々に収益が戻るとの期待感が出るだろう。中間決算でも業績改善が確認できよう。衆院選が終われば、政治面でも不透明要因が剥落し、具体的な政策も明らかになる。財政拡張的な政策が進むとの見方が出てくるだろう。
③9月半ばまでの上昇ペースが速すぎたため反動も出やすい。企業の収益拡大基調は続くが、サプライズは生じにくく、バリュエーションの高さや信用買い残の大きさに目が向きやすくなる。中国当局は企業の債務問題が経済全体を大きく揺るがす事態は防ぐだろうが、一時的な株価下振れ要因にはなる。
④3万~3万1000円

◆押久保直也・三井住友トラスト・アセットマネジメント・シニアエコノミスト
①2万8000~3万1000円
②新型コロナの感染抑制を背景とした経済活動の正常化。岸田新首相の大型経済対策の発表。中国景気下振れ懸念の後退・払しょく。
③新型コロナの感染再拡大に伴い行動様式に対する規制が再強化され、経済活動正常化のモメンタムが損なわれること。中国景気下振れ懸念が強まること。想定以上に米金融政策がタカ派的となることで米金利が急上昇すること。
④3万1000円(メインシナリオとして②のケースを想定)

◆小林真一郎・三菱UFJリサーチ&コンサルティング主席研究員
①2万7000~3万0500円
②感染拡大の抑制が続き、米国など海外の株価が持ち直すことが必要。さらに、半導体不足の解消、岸田新政権の経済政策への期待感が高まれば、レンジの上値を越えることも。
③米国の長期金利上昇・米国株価の一段の下落次第では、足元からもう一段下落の可能性も。感染第6波の襲来、半導体不足の長期化などの悪材料が重なれば、2万7000円を割り込み、年初来安値を更新することも。
④2万9500円

◆菊池真・ミョウジョウ・アセット・マネジメント代表取締役
①2万6500~3万0500円
②米国インフレ率がピークアウトの兆しを見せ、米国債券市場が安定推移すること。日本で冬になってもウイルス感染の大規模拡大が見られないこと。
③米国インフレ率の高止まりが続き、米国で中長期金利の上昇基調が継続すること。日本で第5波と同規模かそれ以上の感染第6波が起こること。岸田新政権が衆院選に向けて金融所得税制改革(累進税率導入など)に積極的に取り組むこと。
④2万7000円

◆窪田朋一郎・松井証券シニアマーケットアナリスト
①2万7000~3万0000円
②米インフレの落ち着きによる米長期金利の低下。東南アジア・中国のサプライチェーン問題の解決。
③米長期金利の上昇。東南アジア・中国のサプライチェーンの混乱。米予算上限問題の深刻化。中国不良債権問題の深刻化
④2万9500円

◆村山大知・eワラント証券アナリスト
①2万7000~3万0000円
②市場は岸田内閣による緊縮財政を警戒しており、3万円を超えて大きく上がっていく展開は考えにくい。
③米国株安。中国の不動産問題への懸念が再燃して米国株が売られ、日本株が連れ安を強いられる。
④2万9000円(了)

 

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