金融庁・日銀、地銀のマネロン対策調査=国際審査踏まえ今夏にも
2021年07月14日 21時15分
EPA時事
金融庁と日銀が今夏にも、地方銀行や信用金庫などの地域金融機関を対象にマネーロンダリング(資金洗浄)対策の実施状況を調査することが14日、分かった。国際組織による審査で、地域金融機関などのマネロン対策の課題が指摘される見通しとなったため。金融庁は、調査を通じて不備が確認されれば、改めて体制強化を求める。
資金洗浄やテロ資金供与の防止策を監視する国際組織「金融活動作業部会」(FATF)は8月、2019年秋に日本の実施状況を審査した結果を公表する予定。対日審査の結果を受け、金融庁は、対応が遅れている地域金融機関のマネロン対策の現状と課題を把握し、必要に応じて改善を促す方針。調査は日銀と協力して行う。
地域金融機関は、マネロン対策の人材育成やシステム対応が大手銀行に比べ遅れている。金融のデジタル化が進む中、本人確認などが不十分な金融機関は、国際的な資金洗浄や不正送金などで抜け道として利用されやすい。日本の金融機関全体で対策を底上げすることが課題となっている。(了)