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EU、35年にガソリン車販売禁止=国境炭素税、26年から賦課―気候対策案

2021年07月14日 23時12分

EPA時事EPA時事

【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)欧州委員会は14日、2030年までに温室効果ガス排出量を55%削減(1990年比)する新目標達成に向けた対策案を発表した。域内で新車(乗用車)の二酸化炭素(CO2)排出量は30年までに55%削減(21年比)し、35年には「排出ゼロ」にする方針を打ち出した。ガソリン車やディーゼル車の新車販売は、ハイブリッド車(HV)も含め事実上禁止される。

 脱炭素社会実現へ電気自動車(EV)などへの全面転換を急ぐ。ただ、新たな目標は、これまでの「30年に37.5%減」からは大幅な引き上げとなり、加盟国や欧州議会の承認が必要な最終決定までには曲折も見込まれる。

 フォンデアライエン欧州委員長は記者会見で「欧州は気候問題への野心に見合う包括的な仕組みを示した初の大陸となった」と強調した。

 また、欧州企業の競争力を維持したまま脱炭素化を進めるため、域外からの輸入品に炭素価格を賦課する「炭素国境調整措置(国境炭素税)」を23年から段階的に導入する。3年間の移行期間を設け、26年から実際に賦課する。対象産業は当面、鉄鋼とアルミニウム、電力、セメント、肥料に限定し、将来的に拡大する。

 域内の企業に排出量相当分の「排出枠」調達を義務付けるEUの排出量取引制度を活用。その排出枠価格を基に輸入品の製造過程における排出量に応じた賦課額を算出し、輸入する企業に負担させる。

 輸入元の国で相当分の炭素価格を支払い済みだと見なせば賦課ゼロとなるが、日本のように全国的な排出量取引制度を持たない国をどう扱うかが焦点となる。

 対策案ではこのほか、排出量取引制度を厳格化し海運などにも対象を拡張。再生可能エネルギー比率を30年までに40%に高めることや、ガソリンや軽油、航空機燃料の最低税率を引き上げることも盛り込んだ。

 ◇EUの気候変動対策案
一、新車のCO2排出量を2030年に55%削減、35年にゼロに
一、炭素国境調整措置(国境炭素税)を23年から段階導入、26年に賦課開始
一、排出量取引制度を厳格化し海運も対象化、道路輸送・建物には新制度導入
一、再エネ比率を30年までに40%に引き上げ
一、化石燃料への最低税率引き上げ
(了)

 

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