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米最大の石油パイプライン停止=身代金要求型のサイバー攻撃

2021年05月09日 06時55分

EPA時事EPA時事

【ニューヨーク時事】米国の燃料送油管会社コロニアル・パイプラインは8日までに、「ランサムウエア」と呼ばれる身代金要求型コンピューターウイルスの被害を受け、操業する全てのパイプラインが稼働停止に追い込まれたと明らかにした。同社は、メキシコ湾岸の製油所から東部沿岸に至る全長5500マイル(約8850キロ)超の国内最大規模の石油パイプラインを運営している。

 同社のパイプラインは、ガソリン、ディーゼルなどの石油製品を輸送し、東部の供給の半分近くを担う。エネルギー供給を支える重要インフラが止まる事態となり、サイバー攻撃の脅威を改めて浮き彫りにした。

 同社は被害を7日に確認。対策として一部システムを切り離したため、パイプラインの操業が停止した。捜査当局とも連携し、復旧を急いでいる。輸送先のタンクに備蓄がある上、新型コロナウイルス禍で需要も低下しているため、経済的影響が直ちに広がることはないとみられているが、復旧に時間がかかれば、価格高騰などを招く恐れがある。

 攻撃に関する具体的情報は明らかにされていない。一般的にランサムウエアによる被害を受けると、データなどが勝手に暗号化されてシステムが使えなくなり、復旧と引き換えに「身代金」を要求する画面が表示される。(了)

 

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