〔米指標予測〕6月の就業者数、300万人増か=失業率は12.3%に改善予想
2020年06月30日 09時02分
22日、アメリカ・ニューヨーク市で再開した理髪店
【ニューヨーク時事】米労働省が7月2日に発表する6月の雇用統計に関する市場予測(ロイター通信調べ)によると、非農業部門の就業者数の予想中央値は、前月比300万人増となっている。失業率も12.3%と前月から1.0%ポイント低下すると予想されている。市場予想に反して改善した前月に続き、雇用回復が見込まれている。
新型コロナウイルスの感染拡大で停滞していた経済活動の再開を背景に「労働市場は4月に底打ちした」(ウェルズ・ファーゴ)のを確認する見通しだ。
ただ、多くの州で新型コロナ感染者数が増加し、感染再拡大の懸念が強まっている。経済再開後も感染防止策は続ける必要があり、フル稼働にはほど遠い。「7月以降は、スムーズな改善にはならないだろう」(CIBCキャピタル・マーケッツ)と先行きを警戒する声が多い。
CIBCは、就業者数が500万人増、失業率は10.7%と予想中央値を上回る強気の予想を示した。「6月中旬までには、4~5月に失われた雇用の半分以上が回復している」と説明した。
バンク・オブ・アメリカは、就業者数は280万人増、失業率が12.5%とみる。経済活動の再開により、雇用の改善は続くものの「改善ペースは5月を下回る」と指摘した。また、再雇用の動きが賃金水準の低い業種に偏っていると懸念を示した。
オックスフォード・エコノミクスは就業者数420万人増、失業率は12.3%と予想した。改善を見込んだが、「レイオフされた労働者の多くは失業したままで、回復への小さな一歩にすぎない」と強調した。(了)
発表予定日:2020年7月2日
〔米指標予測〕について
米国の雇用統計やGDPなどを対象に指標発表前に市場関係者の事前予想値を紹介する記事です。統計発表日の数日前に配信しています。