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〔NY原油分析情報〕WTI、しっかり=本格上昇には新規材料が必要

2021年05月17日 10時57分

AFP時事AFP時事

 日本時間17日午前のニューヨーク原油(WTI)相場はしっかり。午前10時55分現在、中心限月6月きりは1バレル=65.60ドル前後(16日清算値は65.37ドル)で取引されている。午前11時の中国の鉱工業生産の発表を前に様子見ムードにありながらも、前週末の急伸地合いも引き継ぎ、買いが先行している。

 14日の取引で、期近6月きりは米株高や為替のドル安・ユーロ高を受け、大幅高となった。一方、サイバー攻撃で一時停止していた米コロニアル・パイプラインの稼働が再開され、目先の強材料を失った。当面は世界的な新型コロナワクチンの接種の進展による需要回復期待で急落は考えにくいが、70ドルに向かう力強さは欠いている。

 三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、足元のドル安基調は「米長期金利の上げ一服や、2~3月のドル高の修正が原因で、中長期ではドル高に戻る」と話す。また、米国株については「中長期では経済政策の正常化で投機資金の流入が減るものの、実体経済の伸びでカバーされ、上昇が続く」(市川氏)と予想され、強弱材料がWTIへの影響を打ち消し合う見通し。本格的な上昇には新規材料の登場が待たれる。

 米商品先物取引委員会(CFTC)が14日発表した11日現在の取組内容によると、ファンドの買い越しは前週比3452枚減の49万6561枚、当業者の売り越しは381枚増の55万6851枚と大きな変化はなかった。(了)

 

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