ウォール・ストリート・ジャーナル
コモディティコンテンツ

マーケットニュース

中国の原油輸入、7~9月は減少=記録的水準から抑制へ

2020年06月24日 08時26分

EPA時事
EPA時事

 【北京、シンガポール・ロイター時事】中国は、第3四半期(7~9月)の原油輸入量を抑制するとみられている。同国のここ数カ月の輸入量は記録的な水準に達していたが、原油高で需要に影響が及んでいるほか、製油業者が新型コロナウイルスの第2波に対する懸念を強めているためだ。アナリストと貿易筋が明らかにした。

 中国は、原油価格が急落した4月に割安で購入した分が5月に到着し、同月の輸入量は過去最高となる日量1130万バレルに到達。6月と7月も輸入量は増加する見通しだ。

 しかし、アナリスト予想によると、8~9月の原油輸入量は5月より日量約80万~130万バレル少なくなる見通し。

 北海ブレント原油は、1バレル=40ドル超に値を回復しているが、新型コロナの第2波に対する懸念高まりで、始まったばかりの景気回復が阻害される可能性がある。貿易業者は、中国全体の5分の1の原油を輸入する独立系製油会社が既に原油輸入量を削減していると述べた。

 エネルギー調査会社FGEの関係者(石油市場担当)は、「今後、需要の回復ペースは一段と鈍化し、今後数カ月間に、製油所の稼働率は若干引き下げられるとみている。一部独立系(製油所)でまず、稼働率を縮小する可能性がある」と指摘した。

 北海ブレント原油価格が1999年以来の安値水準となる、1バレル=20ドルを割り込んだ際、中国の原油輸入は急増。製油業者は原油を購入し、政府が保証する割高価格でディーゼル油やガソリンを販売していた。(了)

 

ウォール・ストリート・ジャーナル
オペレーションF[フォース]