緊急事態、21日全面解除=首都圏、時短継続へ―菅首相が記者会見
2021年03月18日 18時32分
政府は18日、新型コロナウイルス感染症対策本部(本部長・菅義偉首相)の会合を首相官邸で開き、首都圏4都県に発令中の緊急事態宣言を期限の21日で解除することを決めた。リバウンド(感染再拡大)を警戒しており、飲食店への営業時間短縮要請は緩和させつつ継続し、変異ウイルスの検査体制を強化する。首相は記者会見に臨み、国民に協力を求める。
1月8日に始まった今回の宣言は2度の期間延長を経て2カ月半で全面解除される。ただ、新規感染者数は下げ止まり、一部で増加に転じている。ワクチン接種計画も不透明な中、収束は見通せないままだ。
東京、埼玉、千葉、神奈川の4都県では、逼迫(ひっぱく)していた医療提供体制が改善。政府は4段階の指標の中で宣言解除の目安とした「ステージ3」(深刻度上から2番目)相当を下回っていると判断した。
政府は解除後の対応として①飲食店などでの感染対策②変異株への監視体制強化③感染拡大の予兆探知のためのモニタリング検査④ワクチン接種の推進⑤次の感染拡大に備えた医療提供体制の充実―の5本柱を決定した。
飲食店への時短要請について、宣言中は「午後8時まで」としてきたが、当面「午後9時まで」に緩和し、さらに段階的に緩める考え。不要不急の外出自粛、テレワーク推進など人と人との接触を減らす取り組みを引き続き呼び掛ける。
政府は基本的対処方針も改定した。大都市を中心に4~6月に集中検査を実施する。また、変異ウイルスの発生状況を把握するスクリーニング検査を増やす。現在は全陽性者の5~10%程度だが、40%程度に引き上げる。
首相は対策本部に先立ち、衆参両院の議院運営委員会に出席。解除方針を事前報告し、「再拡大防止に向けた取り組みを徹底していく」と述べた。(了)
緊急事態宣言
新型コロナウイルス対策の特別措置法32条に基づく措置。コロナのような感染症が「全国的かつ急速なまん延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を …