長期金利、一時0.175%に上昇=大手4行、住宅ローン金利上げ
2021年02月26日 18時31分
26日の東京債券市場では、長期金利の指標とされる10年物国債の利回りが急上昇(価格は急低下)し、一時0.175%を付けた。日銀がマイナス金利政策の導入を決めた2016年1月以来、5年1カ月ぶりの高い水準。米国で景気回復期待を背景に金利上昇が進んだことをきっかけに、日本でも今月上旬から金利の上昇が加速している。
債券市場の金利上昇を受け、三井住友銀行やみずほ銀行など大手銀行4行は26日、住宅ローン金利を改定し、固定期間10年の最優遇金利を3月から0.05%引き上げると発表した。
長期金利が上昇すると、住宅ローンや銀行借り入れなどで個人や企業の利払い負担が重くなる。金利の水準自体はなお低いものの、景気回復への逆風となる恐れがある。
26日の株式市場では、日経平均株価が1200円を超える大幅下落となった。市場では「株が売られたことで債券に資金が回るため、金利上昇は一服する」(銀行系証券)との見方も出ているが、米国の金利がさらに高くなれば日本にも金利上昇圧力が掛かり続ける。
日銀は大規模金融緩和の一環として長期金利を0%程度に誘導しつつ、プラスマイナス0.2%程度の変動を容認している。金利がこの上限に近づく中、市場では日銀の対応に注目が集まっている。(了)