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中小向け貸し出しが過去最高=20年9月中間で335兆円―商工リサーチ

2021年02月22日 16時53分

金融機関トップらに年末の中小企業資金繰り支援を要請する麻生太郎金融相=2020年11月、東京都千代田区金融機関トップらに年末の中小企業資金繰り支援を要請する麻生太郎金融相=2020年11月、東京都千代田区

 東京商工リサーチが22日発表した2020年9月中間期の中小企業向け融資残高は、大手銀行と地方銀行、第二地方銀行を合わせた国内主要109行で、335兆2102億円に上った。中間期として9年連続で過去最高を更新。新型コロナウイルス禍での手厚い資金繰り支援から前年同期比4.2%増え、伸び率でも最高だった。

 中小向け融資残高は大半の105行で増え、伸び率10位までは中小取引先の多い地銀と第二地銀が占めた。地銀・第二地銀はスルガ銀行<8358>、東京スター両行を除く100行がプラス。スルガは不動産関連の不正問題の影響で、中小貸し出しは10.3%の大幅なマイナス。大手は新生銀行<8303>、あおぞら銀行<8304>を除く5行で増加した。

 一方で、大企業向けなどを含む貸出金全体(498.6兆円)に占める中小向け比率は67.3%と1.4ポイント低下した。中小取引先の資金需要の一方で、消費抑制に伴い預金も増えており、一般的に利ざやが低いとされる地方公共団体向け融資を拡大させたことなどが影響した。(了)

 

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