ワクチン接種を開始=医療従事者4万人先行―新型コロナ
2021年02月17日 11時14分
新型コロナウイルスのワクチン接種が17日午前、国内で始まった。全国の国立病院など100カ所の医療従事者約4万人に対し、米製薬大手ファイザー製のワクチンを先行接種する。接種が進めば、人口の大半が免疫を持つ「集団免疫」による感染収束も期待される。ただ、日本への供給日程は見通せず、接種スケジュールは流動的だ。
国内最初の接種は、東京都目黒区の国立病院機構東京医療センターで実施された。新木一弘院長を筆頭に、医師や看護師らが次々に注射を受けた。
接種後に記者会見した新木院長は、「待望のコロナ対策の切り札」とワクチンに期待。「院長が率先して受ける必要があると思った。注射はあまり好きではないが、これまで受けた予防接種の中では一番痛みがない」と評価した。
ワクチンは、遺伝情報を記録した「メッセンジャーRNA」の一部を人工合成して作製した新たなタイプ。原則3週間の間隔を空け2回接種する。重篤な副反応はごくまれとされる。厚生労働省は、先行接種を受ける約4万人のうち約2万人について、2回の接種ごとに1週間ずつ体温の変化や疲労感の有無などを記録してもらう。その後も体調の変化があれば報告してもらい、結果は迅速に公表する。
国は、その他の医療従事者ら約370万人の接種を3月中旬に始め、65歳以上の高齢者約3600万人は4月1日以降を目指す。接種はその後、基礎疾患を持つ人などに拡大するが、必要量を円滑に確保できるか見通せず、開始時期は未定だ。(了)
新型コロナワクチン
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