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コロナ対策、世界で1460兆円=公的債務は過去最悪水準―IMF報告

2021年01月28日 22時05分

 【ワシントン時事】国際通貨基金(IMF)は28日、世界各国が2020年に新型コロナウイルス危機を受けて発動した財政支援が総額で約14兆ドル(約1460兆円)に達したと明らかにした。

 これを受け、20年の財政赤字は世界全体で国内総生産(GDP)比の11.8%に膨れ上がる。公的債務残高も世界GDP(約92兆8000億ドル)の規模に迫り、過去最悪の水準となる。

 IMFは21年に景気が持ち直し、経済対策も一部失効すると想定。世界全体の財政赤字はGDP比の8.5%に縮小するが、コロナ危機前の19年(3.8%)を大きく上回る見込みだ。

 20年の公的債務残高は、経済対策費を国債発行などで賄ったため、世界GDP比で97.6%と、前年から一気に約14ポイント拡大。21年は99.5%と、ほぼ世界GDPに並ぶ。日本は258.7%で、先進国平均(124.9%)の2倍超と突出する。

 IMFは、先進国の債務残高のGDP比が1990年代から約2倍に拡大した一方、金利低下で利払い費は減少したと指摘。各国の巨額コロナ対策は適切としつつも、「金利は金融危機直前に急激に上昇する」(ガスパール財政局長)と警告。中長期的な財政健全化の必要性を訴えた。(了)

 

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