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〔米株式〕NYダウ、620ドル安=1カ月半ぶり3万ドル割れ(29日)

2021年01月30日 07時59分

 【ニューヨーク時事】週末29日のニューヨーク株式相場は、個人投資家による投機的な取引で相場が不安定化するとの警戒感が広がり、急反落した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比620.74ドル安の2万9982.62ドルと、約1カ月半ぶりに3万ドルを割り込んで引けた。

 ハイテク株中心のナスダック総合指数は266.47ポイント安の1万3070.69で取引を終えた。

 ニューヨーク証券取引所の出来高は前日比2億0641万株増の16億2375万株。

 人気の株取引アプリ「ロビンフッド」などで導入された一部銘柄の取引制限措置が緩和されるとの報を受け、投機的な動きによって相場が荒い値動きを示すとの懸念が台頭。リスク回避の動きが強まった。

 インターネット交流サイト(SNS)で連携した個人投資家の攻勢にさらされ、空売り戦略で損失を出したヘッジファンドが一部銘柄に利益確定の売りを出しているとの報道も嫌気された。ただ、制限措置の対象となり、前日急落したゲームソフト販売大手ゲームストップは約68%高と急騰した。

 投資家の不安感を示す「恐怖指数」として知られる米シカゴ・オプション取引所のVIX指数の29日の終値は33.09となり、前日比9.53%上昇した。同指数は20を超えると投資家の不安心理が高まっているとされ、この日は一時37を超えた。

 米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)はこの日、開発中の新型コロナウイルスワクチンの有効性に関する臨床試験(治験)結果を発表。期待外れとの見方が強く、ワクチン普及で経済正常化が早まるとの観測が後退した。

 市場では「米金融大手からは既に株が調整局面を迎える可能性が指摘されていたところに、今回のゲームストップ関連のボラティリティーの高まりが重なった」(日系証券)との声が聞かれた。

 個別銘柄では、化学大手ダウが4.6%安と、ダウ構成銘柄では下落率首位。この日さえない四半期決算を発表した石油大手シェブロンが4.3%安。アップルが3.7%安。J&Jは3.6%安。マイクロソフトは2.9%安。一方、マクドナルドは0.6%高と、ダウ銘柄で唯一上昇した。(了)

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