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〔来週の株式相場見通し〕荒い値動きに=コロナ二次感染への警戒続く

2020年06月12日 15時24分

下げ幅が一時600円を超え、2万1000円台となった日経平均株価を示す電光ボード=12日午前、東京都中央区
下げ幅が一時600円を超え、2万1000円台となった日経平均株価を示す電光ボード=12日午前、東京都中央区

 来週の東京株式市場は、米国で新型コロナウイルス二次感染に対する警戒感が広がっていることから、「値動きの荒い不安定な相場」(資産運用会社)となりそうだ。日経平均株価の予想レンジは2万1500~2万3000円。

 日本時間の11日昼に「米国の新型コロナ感染者数が200万人を突破した」とのニュースが伝わり、世界の株式市場でリスク回避の動きが強まった。米ダウ工業株30種平均は11日に1861ドル安と急落。日経平均も11、12日の2日間で800円超の下落となった。

 市場関係者は「これまで上昇相場が続き、過熱感が強かった。まだ日経平均は25日移動平均線を割り込んでおらず、スピード調整の範囲内にある」(大手証券)と冷静な見方が多い。12日の日経平均は、急落後に下げ幅を縮小。投資家の押し目買い意欲の強さを明らかにした。

 来週は、海外のコロナ感染拡大の状況をにらみながら「実体経済や企業業績の回復程度を評価する局面」(中堅証券)に入る。海外での感染者数の増加を手掛かりに下値を試す動きが強まる可能性はあるが、一方で成長期待の高い銘柄を中心に押し目買いが入ることも予想され、売り買い交錯となると見込まれる。

 来週は、中国の鉱工業生産や小売売上高、ニューヨーク連銀製造業景況指数(以上15日)、フィラデルフィア連銀製造業景況指数(18日)など、米中両国の経済指標が関心を集めそうだ。

 国内では日銀が15、16日に金融政策決定会合を開くが、市場関係者からは「日米の中央銀行は既に新型コロナ対策で手をうってきている」(大手証券)との見方が多く、株式市場に与える影響は限定的となりそうだ。(了)

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〔来週の株式相場見通し〕について
株式市場担当記者による翌週のマーケット展望記事です。投資環境の解説や市場関係者の見方も交え、次週の動きを予測します。毎週末に配信しています。

 

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