堂島商取経営陣は体制移行に協力を=有識者提言、初代社長に理事会参加促す
2021年01月15日 17時17分
大阪堂島商品取引所の経営再建に向けた有識者会議「経営改革協議会」(議長・土居丈朗慶大教授)は15日、4月からの株式会社化に向けて、現経営陣に新体制移行に協力を促す提言を発表した。提言は、現経営陣について「速やかな経営体制の移行に向けた協力姿勢が見られず、このままでは総合取引所の実現に向けた株式会社の設立準備に支障をきたす懸念がある」と指摘。現経営陣に十分な協力を促すとともに、社長就任が予定されているSBIホールディングス<8473>顧問で前金融担当相の中塚一宏氏にオブザーバーとして理事会への参加を要請するなど、運営体制を改めるよう訴えている。
運営体制に関しては他に、①現在の理事長室を「株式会社設立準備室」にし、マスコミ対応も行う②理事会議長は取締役に内定している鈴木勝夫理事が理事長を代行して務める③鈴木氏は理事会決議事項について中塚氏に事前に報告し相談する―ことなども求めている。
また提言は今後の課題として、コメの本上場実現や収支改善のための事業計画作成を挙げ、「一日も早く新体制の土台作りを始める必要がある」と強調している。
堂島商取は取引低迷で赤字経営が続いており、岡本安明理事長が責任を取って株式会社移行の際に辞任する見通しだ。
経営改革協議会は昨年10月、株式会社化し、コメの先物と現物に加え、金融先物なども幅広く扱う「総合取引所」を目指すよう求める提言を公表。これを受け、堂島商取は今年1月にも株式会社に移行する予定だったが、準備が遅れ4月にずれ込むことになった。しかし、最近では移行がさらに遅れかねないとして、関係者からは岡本氏の組織運営に対する批判が出ていた。(了)
総合取引所
米国や中国では商品先物などデリバティブの取引が非常に活発だ。日本取引所グループもデリバティブ取引の拡大を目指して総合取引所を開設。証券会社の …