米CDC:コロナ変異ウイルス、「3月にもまん延」=ワクチン普及遅れに州から批判
2021年01月18日 07時03分
【ワシントン時事】米疾病対策センター(CDC)は15日、新型コロナウイルスに関する報告書を公表し、英国などで確認された変異ウイルスが、米国で3月にもまん延する恐れがあると警告した。国内の感染者数や死者数が急増する中、バイデン次期政権は感染防止とともに、早急なワクチン接種の拡大を迫られている。
米国では昨年12月末、西部コロラド州の20代の男性が変異ウイルスに感染したことが判明。CDCによれば、今月13日時点で米国内50州のうち10州で、計76人の変異ウイルス感染が分かっている。
変異ウイルスは従来のウイルスより感染力が強いと言われ、CDCは報告で感染拡大のペースから「今年の早い時期に急速に広がり、3月には主要なウイルスとなる」と予想。「今、感染拡大を食い止める措置を講じれば、潜在的な影響を抑え、ワクチン普及にとって極めて重要な時間を手にできる」と早急な対策の必要性を訴えた。
だが、ワクチン普及は計画通りに進んでいない。米政府は先に、2回目接種用に保管していたワクチンを1回目接種に充当するなど、配布を加速させると表明した。だが、西部オレゴン州のブラウン知事は15日、ツイッターに「連邦政府の保管分がなく、来週は(ワクチン)配布数を増やせないと聞いた」と投稿。「国家レベルの詐欺だ。トランプ政権に説明を求める」と詰め寄った。
バイデン次期大統領は15日の演説で、国防生産法発動を通じた注射器の生産増加や「接種センター」設置によるワクチン普及に努めると表明。政権発足から最初の100日間で1億人に接種する方針を繰り返したが、その間に感染がさらに加速することへの懸念も強まっている。(了)
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