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LNG高値傾向、数週間で後退の見通し=アジア地域の気温上昇で―アナリスト

2021年01月14日 09時30分

AFP時事AFP時事

【シンガポール・ロイター時事】トレーダーやアナリストは、液化天然ガス(LNG)相場の急激な上昇傾向は今後数週間で後退するとの見方を示した。アジア地域の寒波が和らぎ、暖房需要の低下が予想されていることが背景。

 先月のLNGスポット価格は、北アジア地域の寒冷天候による需要急増と在庫激減を受け、200%近く上昇した。過去6カ月間では1000%と、驚くべき上昇率を見せた。

 米コンサルティング会社IHSマークイットの東南アジア担当のガス・LNG主任アナリストは「気温が上昇し、市場へのLNG供給が回復すれば、価格上昇は鈍くなるだろう」と指摘した。

 エネルギー情報会社S&Pグローバル・プラッツが発表した日本・韓国向けスポット価格指標「JKM」(2月引き渡し)は12日、100万BTU(英国熱量単位)当たり32.494ドルに上昇。昨年12月中旬時点では11.0ドル強だった。

 一方で複数のトレーダーは、東京、韓国、上海の今後数週間の気温は平年を上回る予想で、3月引き渡しの北アジア向けLNG価格は低下すると予想している。

 また、このところ過去最高水準のガス購入を行っていた中国が買い付けを抑え、代わりに引き渡しを3月に先送りにしているという。

 北京拠点のあるトレーダーは「このような高値で取引する余裕はない」と述べた。また別の買い付け業者は、中国の業者はガス価格が15ドルを超えれば買い渋ると指摘した。

 また、インドの業者はより値段に敏感で、ガス輸入を減らしている。

 一方トレーダーらは、日本のガス需要増加がLNG価格急騰を大きくけん引したとの見方を示している。日本のガス在庫は危機的低水準で、ガス会社は価格を問わずカーゴ購入を進めているという。(了)

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