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米、大型財政政策に弾み=バイデン次期政権、コロナ給付金増額へ―上院主導権奪還で

2021年01月07日 14時53分

 【ワシントン時事】米民主党が6日、南部ジョージア州での連邦議会決選投票で2議席を獲得し、上院の主導権を奪還することが確実となり、バイデン次期政権が目指す大型財政政策の実現に弾みがつきそうだ。まずは、新型コロナウイルス追加経済対策で共和党に阻まれた、世帯への現金給付の増額を目指す。

 米メディアによると、民主党は定数100の上院で50議席を確保。法案採決で割れた場合、副大統領が1票を投じるため、閣僚ら主要人事で権限を握る。下院も多数派を維持したことで、法案を通しやすくなる。

 上院民主党トップとなるシューマー院内総務は6日、「最初にしたいのは(1人最大)2000ドル(約21万円)の現金給付だ」と強調。多数派だった共和党が追加対策で阻止した600ドルからの増額を真っ先に実現すると表明した。

 バイデン次期大統領は、経済と雇用の再生を最優先課題に据える。昨年末に成立した総額9000億ドル(約93兆円)規模の追加対策はコロナ危機対応の「手付金」と明言。現金給付を含め「暗黒の冬」を乗り切る新たな財政支出を約束している。

 米投資銀行大手ジェフリーズは「1兆ドル規模の新たな経済対策で成長率は2年間で2ポイント程度押し上げられる」と試算。雇用回復も加速すると分析している。

 ただ上院での法案可決には原則として60票の賛成が必要。バイデン政権は4年間で2兆ドルの環境インフラ投資、高所得者や企業への増税など共和党が反対する政策を掲げるが、実現には同党の支持が不可欠だ。

 民主党を徹底して切り捨てたトランプ大統領と異なり、バイデン氏は「経済の再構築には行動と連携が必要だ」と共和党に協力を呼び掛ける。ただ超党派を重視するあまり、公約に掲げた大型財政政策が小粒になる可能性もある。(了)

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