〔景気動向指数反響〕落ち込みは一時的＝三井住友ＤＳＡＭ・宅森氏

2021年01月08日 17時13分

時事

　宅森昭吉・三井住友ＤＳアセットマネジメント理事・チーフエコノミスト＝１１月の一致ＣＩは耐久消費財出荷と小売業販売の減少が響き、６カ月ぶりに悪化した。新型コロナウイルス再拡大が個人消費の足を引っ張っている上、１２月の製造工業生産予測がマイナスとなったことを考えれば、１２月も一致ＣＩを左右する生産、出荷はいずれも弱い数値となることは避けられないだろう。各種「ＧｏＴｏ」キャンペーン停止で求人改善ペースの鈍化も予想され、一致ＣＩが１２月に改善する可能性は低い。

　ただ、落ち込みは一時的なものにとどまりそうだ。１１月は景気の方向感を示すＤＩが先行、一致ともに１００．０となっており、昨年夏から続く景気の底堅さは損なわれていない。１２月以降も輸出は中国向けが好調を維持し、２０２１年１月の製造工業生産予測は前月比７．１％増と大幅なプラスだった。１月の一致ＣＩで生産、生産財出荷が上向くことも期待される状況だ。

　東京都を含む１都３県に緊急事態宣言が再発令されたことを受け、個人消費にブレーキがかかる懸念が強まりつつある。１～３月期国内総生産（ＧＤＰ）のマイナス転換に作用する恐れもある。しかし、一致ＣＩは堅調な外需を支えとした生産活動、輸出の改善を背景に底堅く推移する公算が大きい。３月上旬発表の１月の景気動向指数では基調判断が上方修正される可能性も残っている。（了）

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