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50年「脱炭素」へ政策総動員=車、30年代に電動化―グリーン成長戦略

2020年12月25日 14時06分

2050年カーボンニュートラル・全国フォーラムで発言する菅義偉首相(左手前から3人目)=17日、首相官邸2050年カーボンニュートラル・全国フォーラムで発言する菅義偉首相(左手前から3人目)=17日、首相官邸

 政府は25日、2050年に温室効果ガス排出を実質ゼロとする「カーボンニュートラル」実現に向けた実行計画「グリーン成長戦略」を発表した。30年代半ばに乗用車の国内新車販売をガソリンだけで走る車以外の「電動車」に限る目標を設定。洋上風力発電や水素利用など重点14分野の実施年限や技術的課題を定めた工程表を作成した。看板である脱炭素へ政策を総動員する。

 政府はグリーン戦略を通じて、民間企業の投資や取引拡大などを合算した経済効果が30年に年間90兆円、50年に同190兆円に達すると試算した。

 日本で石油・石炭などの化石燃料を起源とする二酸化炭素(CO 2)排出量は18年に10.6億トンに上り、このうち電力業界だけで4.5億トンと半分近くを占める。戦略は50年までに洋上風力など再生可能エネルギーを普及させるほか、火力発電所などから出るCO 2を回収・再利用する技術(CCUS)導入により、電力部門の排出を実質ゼロに抑え込む。家庭やオフィス、工場をはじめ非電力部門からのCO 2は植林などを通じて吸収する姿を描いた。

 また、乗用車の国内新車販売の全てを30年代半ばまでに電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)などの電動車に転換すると明記。トラック・バスの商用車の結論は先送りし、来夏をめどに目標を具体化する。

 次世代燃料として期待される水素は、燃料電池車(FCV)に限らず、発電所や船舶などに幅広く普及を促し、50年に年間2000万トンの利用を目指す。

 こうしたCO 2を出さない燃料と並行し、グリーン戦略では議論のたたき台として50年の電源構成に占める再エネ比率を5~6割(19年は2割弱)に高める「参考値」を提示。洋上風力を主力電源化の旗頭と位置付け、発電能力を30年までに原発10基分相当の10ギガワットに、40年までに30ギガ~45ギガワットに引き上げる。(了)

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