豊田自工会会長:安易なEV偏重をけん制=政府の「脱ガソリン車」方針受け
2020年12月17日 17時30分
日本自動車工業会の豊田章男会長=3月19日、東京都港区
日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動車<7203>社長)は17日、政府の2050年に(温室効果ガス排出を実質ゼロにする)カーボンニュートラルを目指す方針について「画期的な技術的革新なしでは達成が見通せず、難しい挑戦だ」と述べた。「脱ガソリン車」の流れが加速する中、安易な電気自動車(EV)偏重をけん制した。同日の報道機関とのオンライン懇談会で語った。
豊田氏は政府目標に関し「自工会として貢献するために全力で挑戦する」と歓迎の意を示した。ただ、達成のためには欧米中と同様に政府による政策的支援を要望する考えを示した。
また、全乗用車がEVとなった場合、「原子力発電所で10基、火力発電所で20基の増設が必要で、投資コストは14兆~37兆円もかかる」と試算。「日本は(EV以外のハイブリッド車など)電動化の車種が全部そろっている唯一の国だ」とし、EV以外の車種もバランス良く生産していくことが「日本の生きる道だ」と話した。(了)
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