加藤三菱自CEO:電動化目標、見直しへ=EV引き上げ、前倒しも―インタビュー
2020年12月16日 15時42分
三菱自動車の加藤隆雄最高経営責任者(CEO) 三菱自動車<7211>の加藤隆雄最高経営責任者(CEO)は15日、時事通信の単独インタビューに応じた。政府による「脱ガソリン車」政策を受け、「電動化戦略を加速・強化する見直しが必要だ」と述べた。2030年に世界販売の半数を電気自動車(EV)など電動車にする従来目標について、EV比率の引き上げや時期の前倒しに言及した。
国が30年代半ば以降にガソリンのみで走る自動車の新車販売禁止の方向で調整していることに関し、加藤氏は日産自動車<7201>と進める軽自動車タイプのEVの共同開発を挙げて「(商品開発が)うまく時流に合っている」と語った。電動車の内訳についても「よりEVにシフトしていく」との見通しを示した。
自社ブランドを支えてきたディーゼル車は、エコカー減税の優遇対象から外れるなど販売環境は今後厳しくなる。加藤氏は「先進国では徐々に無くしていく」と将来的な廃止を示唆した。
海外の新規市場開拓では、ケニアやミャンマー、バングラデシュで2年以内に工場などの新拠点を開設する方針を示した。三菱商事<8058>と連携し、ピックアップトラック「トライトン」などの製造販売を強化していく。
日産、フランス自動車大手ルノーとの3社連合に関しては「互いにビジネスに必要なものを採用するツール」との認識を示した。三菱自としては「東南アジア諸国連合(ASEAN)市場での強みやPHEV技術を提供していく」と話した。主要株主である日産や三菱商事による株式の買い増しや売却については「何も話は出ていない」と否定した。(了)
脱ガソリン車
温室効果ガス排出を削減するため、ガソリン車の販売を制限すること。2030年から2040年までにガソリン車の販売を禁止し、電気自動車(EV)や …