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EU、巨大IT規制を強化=売上高10%の制裁金、分割も

2020年12月16日 10時50分

AFP時事AFP時事

 【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)欧州委員会は15日、米グーグルなど巨大IT企業への規制を強化する新ルール案を公表した。他社サービスを排除したり、自社サイトを利用する他社のデータを活用したりして、市場競争をゆがめた場合、全世界の売上高の最大10%に相当する制裁金を科す。最終的には事業分割も命じることができる厳しい内容だ。

 新ルール案は2本柱。インターネット交流サイト(SNS)などでのヘイトスピーチ(憎悪表現)や偽情報、違法商品を削除する対策を義務付け、利用者保護を厳格化する規制も打ち出した。制裁金は最大で全世界売上高の6%となる。

 急速なデジタル化が進む中、時代の変化に合わせ20年ぶりにルールを見直す。市場独占で欧州経済や社会への大きな影響力を持った巨大ITへの対抗姿勢を一段と鮮明にした。ベステアー上級副委員長(競争政策担当)は記者会見で「混沌(こんとん)の中に秩序をもたらすルールを作る必要がある」と強調した。

 加盟国や欧州議会の承認を経て施行するが、難航も予想される。グーグルは「一握りの企業を標的にしており懸念している」とコメントした。

 GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)に代表される巨大ITに対しては、米国も規制強化を進めており、分割を視野に入れた動きもある。ただ、米政府内にはEUの規制強化への反発もあり、米欧間の新たな火種となる可能性がある。

 市場競争に関する新ルールでは、一定規模の売上高や利用者を抱える巨大ITを対象に認定。AFP通信によると、米企業のほか、中国電子商取引最大手の阿里巴巴(アリババ)や、短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を運営する中国企業の字節跳動(バイトダンス)なども含まれる見通しだ。(了)

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