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米財務長官、「デジタルドル」に慎重=IT企業課税、ハードル高い

2020年12月10日 14時52分

EPA時事
EPA時事

 【ワシントン時事】ムニューシン米財務長官は9日、ドルのデジタル化には多くの課題があり、「近い将来にデジタルドルが発行されるとは思わない」と明言した。また、国際交渉が難航している巨大IT企業に対する「デジタル課税」は「米議会の反対が非常に強い」と主張。2021年1月に発足するバイデン次期政権でも実現は容易でないとの見解を示した。

 ムニューシン氏は記者団に対し、電子決済の普及で実質的にお金がデジタル化していると指摘。デジタルドルを早期に導入する必要はないとの見方を示し、技術や法律、規制の対応を含め、中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)と共同研究を続けていると語った。

 デジタル通貨は、中国が中銀の発行する「デジタル人民元」の本格普及準備に入り、日銀も21年度に実証実験を計画。民間では米フェイスブックが主導し、暗号資産(仮想通貨)「ディエム(旧リブラ)」の実用化を急いでいる。

 一方、フランスなど欧州各国との対立で年内の国際合意を断念したデジタル課税制度は「米財務長官が(各国と)合意したとしても、米議会は米IT企業を標的とした制度に非常に強く反対する」と説明。21年半ばをめどに延期された国際交渉は、バイデン次期政権下でも難航すると予想した。(了)

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