税制改正大綱、コロナ踏まえ減税重点=土地と車で負担軽減―脱炭素、DXも
2020年12月10日 16時14分
自民、公明両党は10日、国会内で与党税制協議会を開催し、2021年度税制改正大綱を決定した。固定資産税の負担軽減、エコカー減税の延長など、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえた減税措置に重点を置く一方、コロナ後を見据え、脱炭素やデジタルトランスフォーメーション(DX)関連の設備投資減税も盛り込んだ。
コロナ禍でも企業の投資意欲を引き出すため、赤字を翌年度以降の黒字と相殺できる繰越欠損金制度も拡充する。
焦点の固定資産税は、新型コロナの影響で税負担が過重になるのを防ぐため、21年度に限り、全ての土地で課税額が増えないよう特例措置を導入。地価が上昇した土地の課税額は据え置きとし、下落分はそのまま引き下げる。
21年度は3年に1度の評価額見直し時期に当たる。地価が上昇傾向にあった20年1月1日時点で算定しており、その時点で上昇していても、その後下落した場合もあることから、家計にも配慮し、住宅地を含めて据え置くことにした。
自動車重量税を燃費性能などに応じて減免するエコカー減税は2年間延長し、減免対象車種の割合は現在の水準を維持。自動車取得時に車体価額の3%が課される「環境性能割」も、非課税の割合を現行の約5割のままとし、21年3月末までとしてきた1%分の軽減措置を9カ月間延長する。
一方、クリーンディーゼル車は一律免税措置から除外。激変緩和措置を講じつつ、23年度にはガソリン車同様、燃費性能に応じて課税する。
住宅ローン減税では、控除期間を当初の10年間から3年間延長する特例措置を延長する。原則として20年末までとしていた入居期限を22年末までとし、対象となる住居面積要件も緩和する。
コロナ後を見据え、設備投資減税策も創設する。企業が脱炭素化のための設備投資を行う場合、投資額の最大10%分を税額控除。DXや中小企業の統合再編のための投資も控除を受けられるようにする。製造業が主な対象だった研究開発減税は、デジタル分野で対象を拡大する。
◇21年度税制改正大綱の骨子
一、住宅地、商業地などで固定資産税の負担抑制
一、エコカー減税の一律免除からクリーンディーゼル車を除外
一、住宅ローン減税の「13年間」特例を22年末まで延長
一、企業のDX投資に対する税制優遇
一、脱炭素の設備投資に10%税控除
一、中小企業再編に優遇税制
一、繰越欠損金控除を拡充
(了)
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