ファイザーのコロナワクチン、9割超の有効性=月内にも米当局に認可申請
2020年11月10日 10時15分
【ニューヨーク時事】米製薬大手ファイザーは9日、開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、臨床試験(治験)参加者の感染予防で「9割超の有効性」を確認できたと発表した。同社は治験の「成功」を受け、早ければ今月中に米当局に緊急使用許可を申請する考えで、年内のワクチン実用化に一歩近づいた。
同社は「年内に世界で最大5000万回分、来年に最大13億回分を製造できる」と想定。日本政府との間では、来年6月末までに6000万人分(1億2000万回分)を供給することで基本合意している。
ファイザーは最終段階の治験で、参加者にワクチンか偽薬を投与し、コロナの感染状況を比較。偽薬を投与された参加者に比べ、ワクチンを投与された参加者の感染が大幅に抑えられ、感染予防効果が9割超に上るとの暫定結果が出た。ただ、結果は外部専門家の評価を経ていないほか、効果の詳細は明らかになっていない。
同社は、今月第3週にも出そろうワクチンの安全性に関するデータと共に、米当局に緊急使用許可を申請する考え。治験では深刻な副作用は起きていないという。
欧米の製薬企業では、ファイザーのほか、米モデルナや英アストラゼネカなどがワクチン開発で先行。モデルナも、年内に米国で緊急使用許可を得られる可能性があるとの見方を示している。(了)
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