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〔商品先物参入外資③完〕エービーエヌ・アムロ、エネルギーへの参加も

2020年11月10日 10時00分

AFP時事
AFP時事

 大阪取引所での総合取引所のスタートを機に日本の商品先物市場に新たに参入した、外資系証券会社に対する書面インタビューの3回目の最終回は、エービーエヌ・アムロ・クリアリング証券(東京)を取り上げる。同社は金をはじめとする貴金属のほか、ゴム、農産物の先物の取り扱い資格を持っているが、エネルギーなど他の分野についても「ぜひ参加したい」と回答。現在は大阪取が扱っていないエネルギーも含めて、将来は新分野に参入していく考えを明らかにした。

 日本取引所グループ(JPX)は今年7月、貴金属、ゴム、農産物の先物市場を東京商品取引所から大阪取に移管したが、ドバイ原油や電力は東商取に残された。これに関し、市場関係者からは厳しい批判が出ており、大阪取は来年秋にニューヨーク原油(WTI)先物などで構成する「CME原油等指数先物」を、東商取のエネルギー商品とは別に上場する方針だ。

 ABNアムロはオランダに本社を置く金融グループ。日本の商品先物市場に新規参入した理由について「海外の顧客からのニーズがあったため」と答えた。エービーエヌ・アムロ・クリアリング証券の主な顧客は、自己資金で取引を行う海外投資法人(プロップファーム)で、マーケットメークを行っている。

 これらの投資法人については「他の市場や商品などとの関連性を見ながら、マーケットメークを行う。特に商品先物(市場)だけを見ている可能性は低いが、マーケットメーカーとして流動性を提供する点からもさまざまな参加者が増える必要性を感じていると思う」と指摘。大阪取の商品市場参加者の裾野を広げる必要性を訴えている。

 また「全ての商品先物が大阪取引所に上場され、清算においてもそのルールができるだけ金融庁のルールに統一される方が、金融市場からの参加者は参入が容易となり、マーケットメーカーによる流動性の提供はしやすい環境になる」とも強調。「商品上場投資信託(ETF)における取引で商品先物がヘッジに使用される場合の空売りの例外対象に加えられるなどの変更も必要だ」との見解も示している。

 日本の商品市場の将来性に関しては「これからの取引所と規制当局の市場環境対策によって大きく結果が変わると見ている」という。(了)

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