〔ブル&ベア〕自動車株に買い戻し=中国で「リベンジ消費」の対象に
2020年05月19日 14時31分
EPA時事
日産自<7201>、ホンダ<7267>、SUBARU<7270>などの自動車株が買い戻され、前日比2~5%高と堅調に推移している。中国では4月の自動車販売が前年同月を上回った。新型コロナウイルスをめぐる自粛の反動で消費意欲が高まる「リベンジ消費」の対象になったと指摘されている。
ある大手証券関係者は「都市封鎖が終わった地域では自動車の需要が拡大している。バスや電車よりも自家用車で移動したい人が多い」と語る。その上で、高齢者が自動ブレーキの付いた乗用車を買い求める動きが活発になると予想している。
SUBARUは18日、今後の資金需要に備えることを理由に、期末配当を前年実績から引き下げると発表したが、19日の同株は上昇している。中堅証券の投資情報担当者は「SUBARUは北米での売り上げの比率が高い。米経済回復に期待した買いが入っている」と分析している。
もっとも、一方では「足元の米自動車販売は極めて低調。米国ではローンを利用した購入が多く、新型コロナが収束しても消費者の購買力はなかなか戻らないだろう」(別の大手証券)と予想する市場関係者もおり、楽観ムードが強いというわけではない。自動車大手の今期業績は新型コロナの影響で低調なものになる見通しだ。しかし、株式市場にはその先の消費回復に期待する投資家もいるということだろう。(14時25分)
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