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米司法省、グーグル提訴=検索で独禁法違反―20年ぶり大型訴訟

2020年10月21日 10時06分

 【シリコンバレー時事】米司法省と11州は20日、米グーグルが検索サービスで競争を阻害しているとして、反トラスト法(独占禁止法)違反で同社を首都ワシントンの連邦地裁に提訴した。米IT大手に対する独禁訴訟ではマイクロソフト以来、約20年ぶりの大型案件となる。インターネットの入り口となる検索エンジンの高いシェアを利用し、検索連動型広告で支配的な地位を築き上げていることも問題視している。

 訴状は、グーグルがスマートフォン用基本ソフト(OS)「アンドロイド」を無償で端末メーカーに提供する代わりに、検索エンジンの事前搭載などを要求していると指摘。米アップルのブラウザーでも検索エンジンを標準設定とする契約を結び、競合社が参入しにくい環境を構築していると批判した。

 司法省は声明で「グーグルの行為は、検索の質を低下させ、選択肢を減らし、イノベーションを妨げることで、消費者に害を与えてきた」と非難した。反競争的行為に伴う損害の「構造的な救済」を訴えており、今後、事業分割など厳しい措置を求める可能性もある。

 グーグルはブログで、利用者が他の検索サービスに簡単に乗り換えられることなどを挙げ、「人々は自らグーグルを選んで使っている」と反論。全面的に争う姿勢を示しており、訴訟は長期化が予想される。

 司法省が1998年にマイクロソフトを相手取って起こした訴訟では、パソコン用OS「ウィンドウズ」と応用ソフトの抱き合わせ販売の是非などが争われた。一度は裁判所がマイクロソフトの分割を命じたが、2002年に和解した。

 GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)と呼ばれるIT大手4社に対しては、司法省や連邦取引委員会(FTC)などが調査を進めており、訴訟の動きは今後も続く可能性がある。米議会で独禁法問題を扱う小委員会も今月、IT大手に対する規制強化を提案。デジタル分野の競争政策は転換を迫られそうだ。(了)

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