麻生副総理・財務・金融相会見詳報(20日)
2020年10月20日 13時25分
(午前11時49分~11時58分、財務省記者会見室)
Q、社会保障制度の見直しについて。先週、全世代型社会保障検討会議が開かれた。今後、後期高齢者の医療費の自己負担額を2割に引き上げる対象の線引きが焦点になると思うが、財政審も8日の分科会で、可能な限り広範囲での2割負担をと提言した。社会保障の給付と負担のあり方、その方向性はどうあるべきか、大臣の所見を伺う。
A、これは、いわゆる全世代型社会保障検討会議で中間報告が出されているんですが、臨時国会内でと思っていたんですが、コロナ等々で年末までということで検討していくということになったというのが経緯ですけれども、財務省としては、前回の審議会というか、財政制度等審議会でお示しを既にしておるとおりなんですが、現在の患者負担の仕組みというのは、どう考えても給付は高齢者中心、負担はいわゆる現役というか、現役世代中心になっておりますのははっきりしていますので、やっぱり人口構成等々を考えても、この制度が今後とも存続していくためにも、全世代型社会保障への転換というものを図るということにしていくべきものだと思っておりますので、可能な限り2割負担というものを導入すべきというのが中間報告ですけれども、その考え方に沿って検討方進められていくべきものだと、私どもとしてはそう思っています。
Q、金融担当大臣として伺う。東証が今月1日のシステムトラブルを受けて、金融庁に再発防止策などを盛り込んだ報告書を提出した。この報告書の中には、バックアップ機能が正常に働かなかった背景に、マニュアルの不備なども挙げられていて、内部管理体制の課題も浮き彫りとなっているような中身になっている。報告書の中身についての評価や、今後の金融庁としての対応について伺う。
A、10月16日に、東証の方から金融庁に対して、報告書をわれわれは求めていましたので、それに対する報告書が提出されております。現在この再発防止策について、内容を検査しているというか、精査しているところなんですが、少なくとも行政の対応につきましては、報告内容というものを金曜日にいただきましたので、今精査しているところですけれども、行政対応につきましては、その内容を見て検討していかないかんということです。基本的には再発の防止というものに、一番大事なところなので、その観点から今後適切に対応していくということになるんだと思っていますね。バックアップシステムが全く動かなかったというのはおかしいだろうが、どう考えても。
Q、関連で、東証のシステムトラブルについて。金融庁は東証からの報告書を精査している。朝刊各紙で報道されているが、報告書が不十分なことから、立ち入り検査をしてヒアリングを行う可能性について、大臣の認識は。
A、これは、今の段階でその精査の内容を見た上でないと、ちょっと申し上げられませんね、今の件は。
Q、きのう、加藤官房長官が記者会見の中で、国税関係の確定申告等の押印の見直しについて、利用者の利便性の向上に鑑み、財務省において見直しの検討が行われているという旨の発言があった。現状どのようになっているのか。また、見直しのめどはどのようになっているか所見を伺う。
A、国税の通則法というのがありましてね、124条の第2項というんですけれども、その他の税法上の規定によって税務署への提出時等には押印をということが決められておるというか、お願いをしているということなんですが、他方、政府全体としては押印というのを原則として廃止するという方向で今、検討を進めている中なので、国税関係に関します押印についても、納税者の利便性の向上等々を考えないかんということなので、目下、検討を行っているところなんですが、来年度の税制改正に向けましたプロセスにおいて、これは検討が進められているんだと考えていますけれども。
現状でも、国税関係の手続きの多くに、押印が不要な電子申請というものも結構可能になっているところもありますので、その利便性の向上との関係もありますので、引き続きこれは検討していきたいと思っているんですが、実印が要るとか印鑑証明が要るというようなものもありますので、そういうものとの関係もよくよく精査せないかんところだと思いますので、いろいろな上で、そういった実印、印鑑証明書を必要としないものについては、原則として廃止という方向でやっていきたいというふうに考えています。
Q、先日、ANAに対して劣後ローンで、政府と民間の金融機関が4000億円支援するという報道があった。まず、その事実関係について一言お願いしたい。
A、まだそんな、詳しく言える段階にはありません。
Q、今後、資本不足などで政府や民間に対して、資本性の資金を求める動きが企業の中で高まってくると思う。政府として、支援する際に求める条件、企業に対してどういった企業努力を求めていくのか。
A、いわゆる資本を入れるという話になりますと、よくよく注意しておかないかんのは国有化ですからね、簡単に言うけれども。極端な例が分かりやすいから。そういうことになってきますので、ただ一方、資本が劣化してくると債務が超過する、債務超過って意味分かる?債務超過することになると、基本的には、企業が金融支援というものを金融機関から受けることが難しくなるということになりますので、それは基本的に、その企業の倒産を意味することになりますので、そういった意味では、この劣後ローンとかいろいろなものがありますけれども、そういった資本というものの投入というのを考えねばならんというケースが出てくるということは十分に考えるとは思いますけれども。それをやみくもに何でもかんでも、みんな劣後ローンというようなものではないんだと思っていますけどね。(了)