政府、GAFAから意見聴取=新法整備へ協力要請
2019年11月12日 12時26分
政府は12日午前、首相官邸でデジタル市場競争会議(議長・菅義偉官房長官)を開き、IT大手の規制強化に向け、「GAFA」と呼ばれるグーグルなど米IT大手4社から意見を聴取した。政府はIT企業側の意見も踏まえ、来年の通常国会に「デジタル・プラットフォーマー取引透明化法案」を提出する方針だ。
菅氏は会議で「国が取引の透明性、公正性などの大枠を示しながら、プラットフォーマーが自律的に取引環境の改善に取り組んでいくという新しい形でのルール整備でなければならない」と述べ、4社に協力を求めた。
4社はいずれも、透明性の確保や個人情報の保護に理解を示した。ただ、過剰な負担は掛けず、先行する欧州連合(EU)など他国の規制との整合性を取るよう求める意見も出た。
西村康稔経済再生担当相は終了後の記者会見で、「(規制に関する)全体の方向性には理解を得た」と述べた。
IT大手規制の司令塔となるデジタル市場競争会議がGAFAから意見を聞くのは初めて。会議にはグーグルのほか、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コムの担当者が出席した。
IT大手は圧倒的な量のデータを集めて「優越的な地位」を占め、取引先や利用者への影響力を強めている。このため政府は新法を制定し、問題事例を調査する権限を持ちたい考え。12日夕の未来投資会議でも法案の内容などを協議する。(了)
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