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パウエルFRB議長:デジタルドル、実現性には「大きな課題」=取り残されには警戒

2020年06月18日 06時39分

 【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は17日、「デジタルドル」の実現性に関し「大きく複雑な課題」を抱えていると改めて慎重な姿勢を示した。ただデジタル通貨の技術革新に取り残されるべきではないとして、研究を続ける重要性を強調した。

 議長は下院金融サービス委員会での証言で、デジタル通貨には各国中銀が注目し、FRBも研究に取り組んでいると説明した。「米経済と基軸通貨であるドルにとって良いものであるならば、FRBは理解しておく必要がある」と語った。

 一方で、マネーロンダリング(資金洗浄)への悪用、すべての人が使える「金融包摂」の課題などがあり「それを真剣にとらえている」と述べた。ただ「技術の変化を採り入れず、ある日目覚めた時にドルが基軸通貨でなくなっている状況にはなりたくない」と研究する必要性を強調した。

 デジタル通貨は、紙幣や硬貨を電子化するもので、日銀も欧州中央銀行(ECB)などと共同研究に乗り出している。新型コロナウイルスの感染リスクが警戒され関心が高まっている。一部の国で試験的に導入された例があり、中国は「デジタル人民元」の導入へ最終段階に入っている。

 民間企業では米フェイスブックが暗号資産(仮想通貨)「リブラ」の実用化を進めている。ただパウエル議長は、経済に影響する通貨供給量などの調整を民間企業は担わないとして「デジタル通貨の設計は中銀が行うべきだ」とけん制した。(了)

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