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〔米国金融証券週報・展望〕GAFA決算に注目

2020年10月26日 05時40分

EPA時事
EPA時事

 【ニューヨーク時事】先週のニューヨーク株式相場は、米追加経済対策に対する期待感が強まれば買われ、悲観的な見方が優勢となれば売られる中、下落した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前週末終値比270.74ドル安の2万8335.57ドルで終了した。

 ハイテク株中心のナスダック総合指数は、同123.28ポイント安の1万1548.28。

 先週のダウは、米追加経済支援策をめぐる米与野党協議の動向に一喜一憂する展開。週明けに両党の協議に対する悲観的な見方から400ドルを超える下げで終了したものの、その後は楽観的な見通しが出て値を戻す場面もあったが、結局週間では値を下げて越週した。

 今週も追加経済対策の動向は注視され、先週同様にニュースへの反応はある見込みだ。ただ大統領選が近づく中、相場に比較的大きな影響を与えるには「週末に決まる必要がある」(日系証券)との見方も出始めている。

 今週は経済指標では29日に発表される7~9月期の米国内総生産(GDP)速報値が注目される。大幅な伸びが見込まれているが、「GDPなので注目は注目だが、かなりの上振れ、下振れがなければそれほどの材料ではないのではないか」(別の日系証券)との指摘も聞かれる。

 GDPよりも注目されそうなのが、29日に一斉に明らかになるGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)と呼ばれるIT大手4社の決算だ。今週は多くの企業の決算が発表される中、シェブロンなどの石油企業、ボーイング、スリーエム、新型コロナウイルスワクチンの開発で先頭集団に入っているファイザーの決算、各社の発表内容にも関心が集まりそうだ。

 ◇大統領選前に狭いレンジか

 先週のニューヨーク金融・債券市場は、長期金利の指標である10年物米国債利回り(終盤)は前週末比0.09%ポイント上昇の0.84%となった。

 30年債利回りは同0.11%ポイント上昇の1.64%、2年債利回りは同0.01%ポイント上昇の0.15%、3カ月物TB(財務省証券)利回りは同0.0025%ポイント低下の0.0938%だった。

 先週は週明け以降10年債利回りの上昇が続き、22日には0.86%に達し、終盤の水準としては6月8日(0.88%)以来約4カ月半ぶりの高水準となった。週末には0.87%まで上昇する場面もあったものの、利回りは急速に上げ過ぎとの見方も出る中、前日終盤比では低下したが、週間ベースでは大幅上昇して越週した。

 今週は先週の上昇基調を維持するか、大統領選を控えて様子見ムードが広がり、比較的落ち着いた動きになるのかが注目される。バイデン前副大統領有利との世論調査が出る中、大きな政府を織り込んだ動きが出ているとの指摘がある。ただ、前回2016年大統領選のケースもあり、投資家は最後まで確信を持てないことから、選挙直前の今週は様子見ムードが広がる公算が大きい。このため、GDPなどで極めて予想外な数字が出ない限り、比較的狭いレンジで浮動する可能性がある。(了)

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〔米国金融証券週報・展望〕について
ニューヨーク駐在の経済担当記者による米株式・債券市場の1週間の総括と翌週の注目ポイントを紹介する記事。NYダウや米国債が何を材料にどのように動いたかを丁寧に解説しています。日本時間の毎週土曜日に配信します。

 

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