〔ブル&ベア〕OLC、底堅い=野村証、コロナ禍での「見えない価値」料金化を予想
2020年10月15日 11時27分
営業再開した東京ディズニーランド=7月1日、千葉県浦安市
東京ディズニーリゾートを運営するOLC<4661>が前日比65円安の1万5220円まで下落後、一時プラス圏に切り返すなど底堅さを見せている。野村証券が14日付のリポートで、目標株価を従来の1万5175円から1万7600円に修正したことが株価を下支えしている。
同証券はこのリポート「コロナ禍における見えない価値の料金化」の中で、「我々は営業利益成長のドライバーを、訪園者数から1人当たりチケット単価へ変更した」と説明。新型コロナウイルス拡大により広がっている人混みに対する嫌悪感を踏まえ、「新価格体系として、ゲスト(入園者)の安心感、快適さの料金化を予想した」としている。
具体的には、繁忙期と閑散期で価格を変えるダイナミックプライシングや、人気アトラクションなどでの有料確約搭乗券の導入を見込む。こうした施策により、2030年3月期時点のワンデー大人パスポートの平均価格は1万3000円となり、年間訪園者数が減少しても営業利益率は高まると予想している。
OLCは20年4~6月期連結決算で248億円の純損失を計上し、冬の賞与削減や契約社員の配置転換についても既に報じられている。株式市場では新型コロナの感染拡大を契機に、OLCが海外のディズニーパークの事例を踏まえ、チケットの価格を見直すとの観測が根強くある。
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