〔景気ウオッチャー調査反響〕「ＧｏＴｏ」が街角景気改善後押し＝みずほ証・末広氏

2020年10月08日 15時52分

４連休３日目の９月２１日、多くの人が行き交うＪＲ原宿駅前の竹下通り＝東京都渋谷区

　末広徹・みずほ証券シニアマーケットエコノミスト＝９月の景気ウオッチャー調査で、街角の景況感を示す現状判断指数は非常に強かった。旅行や外食向けの各種「ＧｏＴｏ」キャンペーンといった需要喚起策を追い風に、新型コロナウイルスの感染拡大でしばらく我慢していた需要の反発が一番強く現れたとみられる。向こう数カ月は政策による後押しが残り、街角景気は改善が続きそうだ。

　国内景気も新型コロナで急激に落ち込んだ５月を底に回復しているとみられるが、需要は自然な反発と政策効果による部分を見極める必要がある。９月の強いマインド改善は分かりやすい政策によって押し上げられた側面があるため、これが消費・投資・雇用といったハードデータの力強い持ち直しにはつながりにくいと考えている。今年は冬のボーナスが幅広い業種で減少する見通しで、家計部門のマインド改善は年末に息切れする可能性が高いほか、好調な中国経済の回復ペースが鈍化して製造業の活動が縮小し、投資意欲の低迷が続く可能性も残る。国内景気の回復ペースは徐々に鈍化し、年末には横ばい程度になるという見方は変わらない。（了）