英中銀:今年の成長率、マイナス14%も=政策金利、量的緩和は据え置き
2020年05月07日 16時29分
【ロンドン時事】英イングランド銀行(中央銀行)は7日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の中断で、2020年の成長率がマイナス14%の大幅な落ち込みを記録する可能性があると発表した。ロイター通信は「(実際にそうなれば過去)300年余で最大の不況だ」と伝えている。
中銀によると、英国内総生産(GDP)は1~3月に前期比3%減、4~6月期に25%減が予想される。今年後半は回復に向かうものの、通年では2桁の落ち込みが懸念されるという。ただ、来年は通年で15%のV字回復を見込んだ。22年の成長率予想は3%。
失業率は今年8%に上昇した後、来年は7%、22年には現状並みの4%に戻る見込み。
消費者物価指数(CPI)上昇率は今年が0.6%、来年は0.5%に低下した後、22年に政策目標の2.0%に上昇すると予想している。
政府財政の分析機関「英予算責任局」は4月、今年の経済成長率が約13%のマイナスになる恐れがあると予想。中銀はこれをほぼ踏襲する結果となった。
中銀はこの日、新型コロナウイルスを受けて過去最低の0.1%に引き下げた政策金利を据え置くと発表。6450億ポンドに拡大された国債・社債買い取り枠も現行のまま維持した。いずれも市場の予想通り。
金利据え置きは6日まで開かれた金融政策委員会で全会一致で決定。量的緩和は賛成7、反対2。反対の2人は外部委員のジョナサン・ハスケル、マイケル・サンダース両氏で、いずれも1000億ポンドの増額を主張した。
中銀は3月に2度の緊急利下げを行い、政策金利は0.75%から計0.65%引き下げられた。また、4350億ポンドの国債買い取り枠と100億ポンドの社債買い取り枠は、計2000億ポンド増強された。(了)