〔ブル&ベア〕PTS、商い激減=東証売買停止で投資家動けず
2020年10月01日 14時52分
システム障害によって全銘柄の売買が停止され、株価が表示されなくなった東証アローズ・マーケットセンターの電光ボード(奥)。手前は詰めかけた報道陣=1日午前、東京都中央区
東証の現物株売買が停止する一方、私設取引システム(PTS)は極端な薄商いとなっている。国内最大のPTSを運営するジャパンネクスト証券によると、午後2時すぎの売買代金は約70億円と、通常の20分の1程度にとどまり、「東証の売買が止まり、投資家が動けずにいる」という。
機関投資家や証券会社が株式を取引する際、東証とPTSの気配値を比較し、より有利に取引が成立する方に注文を流すSOR(スマート・オーダー・ルーティング)と呼ばれるシステムを経由することが多い。SORは東証の気配値を基準に発注先を判断するが、「1日は東証から気配値や株価が配信されないため、投資家は取引そのものを見送っている」(ジャパンネクスト証券)とみられる。ジャパンネクスト証券では通常、1日当たり1500億~2000億円の売買が成立するという。(14時40分)(了)
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