〔週間外為見通し〕投機的な円高に注意=上田東短フォレ・阪井氏
2020年09月18日 16時38分
阪井勇蔵・上田東短フォレックス営業推進室室長=今週のドル円相場は、米国の低金利政策が長期化するとの思惑からドル売りが進み、約1カ月半ぶりに1ドル=104円台となった。来週は、104円台を中心に動くとみられる。ただ、週の前半は日本が休みのため、投機的、仕掛け的な動きでドル安・円高が進む可能性がある。7月31日に付けた104円20銭台を下回ると、103円台に下落してもおかしくない。
7月末の円高局面では、財務省、金融庁、日銀の情報交換会合(3者会合)が開催され、岡村健司財務官が円高をけん制する発言を行った。今回も同様の対応が行われれば、ドルが買い戻されるだろうが、米国の低金利政策がドルの上値を抑える上、英国と欧州連合(EU)の自由貿易協定(FTA)交渉の難航などを嫌気して円高が進みやすく、106円台を大きく突破することはないだろう。週間予想レンジはドル円が1ドル=103円50銭~106円00銭、ユーロドルは1ユーロ=1.1700~1.2000ドル。
来週は、米国の追加経済対策法案の動きを注視している。また、11月の米大統領選が近づいている中で、トランプ・バイデン両候補らが米中関係を一段と緊張させるような発言を行えば、リスク回避の雰囲気が高まり株安・円高につながる可能性がある。
新型コロナウイルスワクチンについては、英アストラゼネカの臨床試験再開など前向きなニュースもあったが、米疾病対策センター(CDC)所長がワクチンの広範な提供時期が2021年半ばになると発言するなど、先が読みにくい。期待できるようなニュースがあれば株価上昇やドル買いの材料となる。
来週は欧州で9月製造業購買担当者景気指数(PMI)の公表などが予定され、結果に伴ってユーロが変動するだろう。また、英ポンドはこのところ値動きが激しく、特殊な通貨になりつつある。ドル円もポンドの乱高下の影響を受ける可能性がある。(了)
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