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米雇用、本格回復へ道のり長く=5月の失業率13%、高止まりも

<2020年6月12日>

2020/06/06 09:53

 

 【ワシントン時事】米労働省が5日発表した5月の雇用統計(季節調整済み)によると、失業率は13.3%と、戦後最悪だった前月(14.7%)から改善した。非農業部門の就業者数は前月から250万9000人増とプラスに転じた。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた政府の経済対策が悪化に歯止めをかけたもようだ。経済活動の一部再開で、最悪期を過ぎた可能性がある。

 失業率は前月から1.4ポイント低下。就業者数は過去最大の減少幅となった前月(2068万7000人)から大きく改善した。ただ外出規制が始まった3月以降の失業者は累計で約2000万人に達しており、失業問題は11月の選挙で再選を目指すトランプ大統領にとって強い逆風になる。

 雇用全体の7割を占めるサービス業は242万5000人の増加と3カ月ぶりのプラス。休業を強いられたレストランやホテルは122万2000人増。製造業も22万5000人増だった。

 政府が従業員の給与を肩代わりする支援制度も貢献したとみられ、経済活動が部分的に再開する中で「最悪状態は脱したもようだ」(エコノミスト)との分析もある。失業者の約7割が一時的な解雇で、職場復帰が進めば米経済を柱である個人消費の回復につながる可能性がある。

 しかし、雇用の受け皿となる企業は疲弊している。百貨店大手JCペニー、衣料品大手Jクルー・グループが相次いで経営破綻し、航空機大手ボーイングも大規模な人員削減に踏み切る。議会予算局(CBO)は、失業率が10%を下回るのは2021年と厳しい予測を示している。

 中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は来週の金融政策会合で、景気の下支えへ事実上のゼロ金利を維持する見通しだ。失業率の高止まりは社会不安を招き、白人警官による黒人男性暴行死をきっかけとした全米規模の抗議デモをエスカレートさせるとの懸念も根強い。(了)