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「ESG債」発行急増=温暖化対策向けは4年で7倍超―IMF報告

<2019年10月18日>

2019/10/10 23:00

 

 【ワシントン時事】国際通貨基金(IMF)は10日、環境や社会などを重視する「ESG」の考え方が世界の債券発行で広がっているとする報告を発表した。地球温暖化対策に役立てる債券「グリーンボンド」が代表的な例で、その残高は推計5900億ドル(約63兆円)と過去4年間で7倍超に膨張。今後も増加が見込まれている。

 ESGは「環境」「社会」「企業統治」の英語の頭文字を並べたもので、温暖化や貧困など地球規模の課題に対処し持続可能な社会づくりを目指す概念。報告は「企業がESGを事業戦略に含めることは、将来的に企業自身の利益になる」と分析する。

 報告によれば、ESG債の発行はグリーンボンドを中心に急速に伸びており、欧州のほか、深刻な大気汚染に見舞われる中国でも目立っている。 

 ただ、ESG債による資金調達が「通常の債券発行に比べ低コストになったケースはほとんどない」と指摘。普及には、企業に長期的なメリットを知ってもらうことに加え、債券の買い手側にも関連知識を広めていくなどの政策対応が必要だと訴えた。(了)

 

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