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公募投信残高、196兆円=2カ月連続で過去最高を更新-12月の投信概況

2024年01月18日 09時00分

 
松下浩一会長

 投資信託協会がまとめた昨年12月末の公募投信残高は、前月比0.9%増の196兆9070億円となり、2カ月連続で過去最高を更新した。また、日銀や機関投資家が多く保有する上場投信(ETF)を除いた残高は、前月比1.7%増の106兆4062億円となり、こちらも2カ月連続で過去最高を更新した。

 公募株式投信(除くETF)で資金動向を見ると、海外株式型や国内株式型、内外債券型などへの資金流入により、3025億円の純資金流入となり、7カ月連続で流入超になった。

◆新NISA、「長期・分散・積立」で成功体験づくりを

 松下浩一会長は、1月にスタートした新NISA(少額投資非課税制度)の状況について「株式では、高配当株や純資産額の大きい有名な銘柄が買われたり、海外株式に投資するインデックスファンドに1日で1000億円を超える資金が流入したりするなど、さまざまな動きが出ている。日経平均株価の上伸に少なからず関与していることは、間違いないだろう」と指摘した。

 その上で、「NISAの目的は、『貯蓄から投資へ』の習慣づくりや、企業への投資で『成長と分配の好循環』を生み出すことだ。今は、投資することに慣れてもらいながら、『長期・分散・積立』で投資することが良い結果を招くという成功体験づくりを進める、初期の段階にあると思う」と話した。

◆相場変動に一喜一憂せず、長期に資産形成

(出所)投資信託協会(出所)投資信託協会(クリックで表示)

 また、松下会長は、積み立て投資の効果について「(購入価格が)平準化され、相場が下がった局面でより多くの口数を購入することで、相場が上昇した局面で資産が増えることが期待される」と説明。「日経平均株価の上げ下げをあまり気にしない投資家が、増えているのではないか」と述べた。

 NISAの年代別口座数を過去のデータと比較すると、「つみたてNISA」の口座数が大きく伸びており、半数を占める勢いだ。

 「30年前の株式市場は『今日何を買ったら、明日もうかるか』という投資スタンスだった。銘柄の売買を繰り返して利益を得る発想しかなかった。しかし今は、『貯蓄から投資へ』の流れが本格的に進み始めている。相場の動きに一喜一憂せず、長期で資産形成するスタイルが、定着していくだろう」と話した。

◆過去最高の運用益=公募株式投信(除くETF)-23年末

(出所)投資信託協会「投資信託の主要統計」(5ページ)(出所)投資信託協会「投資信託の主要統計」(5ページ)(クリックで表示)
(出所)投資信託協会「投資信託の主要統計」(6ページ)(出所)投資信託協会「投資信託の主要統計」(6ページ)(クリックで表示)
(出所)投資信託協会「投資信託の主要統計」(15ページ)(出所)投資信託協会「投資信託の主要統計」(15ページ)(クリックで表示)


 2023年末の公募株式投資(除くETF)の残高は100兆円を突破した。運用増加額は18.5兆円と過去最大の規模になった。

◆インデックス型が全体の3割に迫る=23年末

 公募株式投資(除くETF)をアクティブ型とインデックス型に分けると、インデックス型の割合は29.2%(前年は26.2%)と、3割に迫った。

◆信託報酬、低下傾向=23年末

 公募株式投信(追加型)の信託報酬は、0.97% (前年は1.0%)に低下した。このうちアクティブ型は1.12%(同1.14%)、インデックス型0.37%(同0.38%)だった。

 

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