ベスト・プラクティス集を作成=アドバイザーは「顧客とその家族の話を聞き続け伴走する」=日本金融商品仲介業協会
2025年08月06日 11時00分
一般社団法人日本金融商品仲介業協会(JIFA、中桐啓貴理事長)は5日、記者会見を開き、好事例をまとめた「『顧客本位』を極めるためのアドバイザーのベスト・プラクティス」を発表した。
福田猛理事は「アドバイザーとして理想の姿をまとめた。何が出来て、何が出来ていないかを継続的に確認していく中で、成功事例が生まれ、ほかの会員に広がるような好循環が動き出すことが重要だ」と指摘した。
ベストプラクティス集では、アドバイザーのパーパス(存在意義と役割)を「顧客とその家族の人生のゴール(目標、悩み・課題等)を包括的かつ継続的に聞き続け、それらの解決に向けて先取的な提案を行い、ゴールの実現まで寄り添い伴走し続ける」とした。
その上で「提供することが望ましいもの」として①包括的なゴールベース・ファイナンシャルプランニング ②中長期分散アプローチによる資産形成・投資の実行 ③顧客とその家族の状況のアップデートと継続的なレビュー-など5項目を挙げた。
一方、「利益相反の防止と牽制等」として(A)公正性・透明性のある商品スクリーニング (B)運用資産残高に連動するフィーベースの報酬体系や事業モデルの奨励 (C)「資産収益率」等の数値基準による自主規律-など5項目の実施を求めた。
日本金融商品仲介業協会には、7月末で39社が加盟。会員会社の預かり資産の総額は3.2兆円に拡大した。また、「資産収益率(収益/預かり資産)」の平均は、0.82%だった。
中桐理事長は、資産収益率の状況について「売買手数料に依存するコミッション型のビジネスモデルから、預かり資産残高を重視するフィー型へ、経営の舵を切る会員が多いことの証左になっている」と述べた。