公募株式投信(除くETF)、3.9増の152兆円=3カ月連続で増加し、過去最高を更新-7月の投信概況
2025年08月15日 08時30分
投資信託協会がまとめた2025年7月の投信概況によると、公募株式投信(除くETF)の純資産総額は、前月比3.9増の152兆3526億円だった。3カ月連続で増加し、過去最高を更新した。
一方、公社債投信やETFを含む公募証券投信全体で見ると、純資産総額は前月比2.6%増の261兆0343億円となった。こちらも3カ月連続で増加し、過去最高を更新した。
月間の新規設定は36本、償還は19本だった。この結果、運用中のファンド本数は前月末比17本増加して、5796本になった。
◆26カ月連続で資金流入超=公募株式投信(除くETF)

公募株式投信(除くETF)の資金増減額は、2454億円の純資金流入と26カ月連続で流入超となった。少額投資非課税制度(NISA)を通じた個人投資家の買いが続いているものの、株価上昇で利益確定売りも膨らみ、前月(5743億円の純資金流入)に比べて純流入額は縮小した。
一方、運用増減額は、国内外の株価上昇や円安を受けて、プラス5兆6678億円と好調だった。7月末は、日経平均株価が前月末比1.4%、NYダウも同0.1%、それぞれ上昇した。月末の円相場は1ドル=149円39銭となり、前月末(同144円81銭)と比べて、円安に振れた。
◆「設定」は回復、一方で「解約・償還」も増加

公募株式投信(除くETF)の純資金流入額を「設定」と「解約・償還」に分解すると、「設定」は3兆4603億円と3カ月連続で増加し、過去1年間の平均(3兆4900億円)程度まで回復した。
一方、「解約・償還」は3兆2149億円で、こちらは過去1年の平均(2兆2391億円)を大きく上回った。株価の上昇で利益確定売りが膨らんだ模様だ。
◆「海外株式型」「内外資産複合型」は、純流入が鈍化
主要な商品分類別に資金増減額を見ると、「海外株式型」「内外株式型」「内外資産複合型」は資金流入が続いている。ただ、「海外株式型」と「内外資金複合型」は、純流入額が減少した。
一方、「国内株式型」は、2613億円の流出と、3カ月連続で純流出となった。

◆相場が高いときも、安いときも、積み立て継続を
松下浩一投資信託協会会長は、純資金流入が減少していることについて、「日経平均株価が4万円近辺でもみ合うなど相場が良かったので、利益確定売りが出ているようだ。ただ一方で、資金流入は継続し、設定は増加しており、投信市場は拡大している」と分析した。
その上で「若い人には生活に必要な資金ニーズもあるので、相場が上昇すれば、投資信託を売却して利益を実現したいと考える投資行動は理解できる。ただ、長期・分散投資による資産形成に向けて、相場が高いときも、安いときも、積み立てを継続していただきたいと思う」と述べた。
