公募投信残高、195兆円=3カ月ぶり増加、過去最高を更新-11月の投信概況
2023年12月14日 09時00分
投資信託協会がまとめた11月末の公募投信残高は、前月比5.7%増の195兆2331億円となり、3カ月ぶりに増加し過去最高を更新した。また、日銀や機関投資家が多く保有する上場投信(ETF)を除いた残高は、前月比6.4%増の104兆6318億円となり、こちらも過去最高を更新した。国内外で株価が大幅に上昇し、運用益が増加した。
こうした中、ETFを中心に利益確定の売りが出て、公募投資の資金動向は1725億円の純資金流出と、2017年4月以来6年7カ月ぶりの減少になった。ただ、個人投資家の積み立て投資は継続しており、ETFを除くと491億円の純資金流入と、6カ月連続で流入超を維持した。
杉江潤副会長は、「各地のセミナーで個人投資家の皆さんにお会いして、来年1月にスタートする新しい少額投資非課税制度(NISA)に対する期待の大きさを感じている。岸田文雄政権が推進する『資産所得倍増プラン』や『資産運用立国』を通じて、資産形成に対する国民の関心やニーズは高まっている。協会としては、長期的視点に立った資産形成の普及・促進を図っていきたい」と述べた。
◆企業型DCで約6割、iDeCoで7割強が投信等
投資信託協会が作成した「投資信託の主要統計(2023年11月)」を見ると、企業型確定拠出年金(企業型DC)は3月末時点で、加入者数が805万人に、資産額が18兆8262億円にそれぞれ拡大した。資産に占める投信等の割合は59.8%と約6割に上昇した。
また、3月末の個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)の加入数は289万人で、資産額は2兆9029億円になった。資産に占める投信等の割合は72.0%と7割を超えた。これらの統計は厚生労働省や運営管理機関連絡協議会、国民年金基金連合会が作成した。
◆個人金融資産に占める投信比率4.74%
また、日銀のまとめによると、日本の個人金融資産に占める投信の比率は6月末時点で、4.74%に上昇した。