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「お金の不安は?」「投資は必要?」=バブル・ロスジェネ・金融スキマ世代で比較-400F「オカネコ」調べ

2023年12月14日 08時00分

「オカネコ お金に関する調査2023」特別版!世代比較ランキング「オカネコ お金に関する調査2023」特別版!世代比較ランキング(クリックで表示)

 国内最大級の家計診断・相談サービス「オカネコ」を運営する400F(東京、中村仁社長)は、お金に関する実態や意識を振り返るアンケート調査「オカネコ お金に関する調査2023」を公表した。この中でデータを「バブル世代」「ロスジェネ世代」「金融スキマ世代」に分けて集計したところ、ユニークな分析結果がまとまった。

 調査は、11月に全国の20~60歳代の男女500人に実施した。それぞれの世代の定義は、①「バブル世代(53~58歳)好景気のバブル時代に就職した」、②「ロスジェネ世代(40~52歳)バブル崩壊後から就職氷河期に就職活動した」、③「金融スキマ世代(20~39歳)リーマンショック後の低金利時代に社会人生活の大半を送り、10代で金融教育を受ける機会がなかった」-とした。

◆将来のお金の不安は?

あなたは、将来に向けてお金に関する不安を感じることはありますか。あなたは、将来に向けてお金に関する不安を感じることはありますか。(クリックで表示)
情報収集しながら自分に合った資産形成を検討・実施できていると感じている。情報収集しながら自分に合った資産形成を検討・実施できていると感じている。(クリックで表示)
資産形成について、自分には必要がないと感じている。資産形成について、自分には必要がないと感じている。(クリックで表示)


 調査の中で、「将来のお金に不安を感じますか」と尋ねたところ、ロスジェネ世代は88%が「不安」と回答、「バブル世代」や「金融スキマ世代」を10ポイント以上上回った。

◆うまく資産形成できている?

 また、「情報収集しながら自分にあった資産形成を検討・実行できていると感じている」について「当てはまる」と回答したのは、「金融スキマ世代」が37.5%でトップだった。

◆資産形成の必要性は?

 ただ、「資産形成について、自分には必要ないと感じている」について「当てはまる」と回答した人も、「金融スキマ世代」が39.0%と、他の世代を10ポイント以上引き離した。金融スキマ世代は、世代内で資産形成に対する考え方が二極化している可能性があるという。

◆個別化された金融教育・アドバイスが重要に=中村社長

 中村社長は、調査結果について「個別化された金融教育やアドバイスの必要性を改めて実感した。世代ごとさらに言うと個人ごとに、それぞれの背景に合わせた形で金融教育やアドバイスを提供しなければ納得感が得られないだろう」と指摘。「個人の背景を理解するための定量・定性的な情報に加えて、テクノロジーを駆使し、個々に合わせた緻密なアドバイスを設計することが求められていくだろう」と述べた。

 
中村社長

 行動ファイナンスは、こうした論点を「メンタルアカウンティング」として紹介しているという。例えば、苦労して得たお金は慎重に使おうとするが、ギャンブルで儲けたお金は簡単に使ってしまうように、自分の心の勘定科目でお金を色分けし、不合理な選択をしてしまうことがある。

 中村社長は「人は過去の経験や環境によって物事を異なる視点でとらえる傾向がある。マクロ的な視点から見れば、時代背景とともに各世代のお金に対する意識は変化していく」と指摘。「『オカネコ』は今後とも、人とテクノロジーを融合させ、誰よりもその人のことを理解した金融教育・アドバイスを提供することを目指していく」と話している。

 

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