「長期・積立・分散」の基本に立ち返る=2026年に向けた資産運用のヒント-ウェルスナビの佐藤氏
2025年12月08日 08時00分

ロボアドバイザー最大手のウェルスナビ(本社東京、柴山和久社長)は「2026年に向けた資産運用のヒント」をテーマにメディア説明会を開催した。資産運用アドバイザーの佐藤健氏は、「相場動向に不安を感じる局面では、資産運用のスタンダートである『長期・積立・分散』に立ち返ることが大切だ」とアドバイスした。主なポイントは以下の通り。
◆2025年の振り返り
佐藤氏 2025年の株式市況は、日経平均株価が5万円台に上伸するなど恵まれた年だった。ただ、4月にはトランプ米大統領が公表した関税政策がサプライズとなり、株式相場が急落する場面があった。
ウェルスナビに寄せられたお客さまの声を見ると、短期的な相場の変動に一喜一憂してしまう様子がうかがえた。そうした中で重要になるのは「値動きの異なる資産を組み合わせることで、全体のリスクを抑える運用」だ。
(出所)ウェルスナビ(クリックで表示) リスクとリターンは表裏一体だ。どの資産クラスが上昇するか分からないからこそ、異なる値動きの資産を組み合わせて、リスクを抑えていくことが重要になる。
ウェルスナビは、お客さまのリスク許容度に応じて、5段階のポートフォリオを用意しており、それぞれのリスクの範囲で、最大の期待リターンを狙うことができる資産配分を提供している。
◆2026年の注目点は
佐藤氏 「AIなどのテクノロジーへの期待」「各国の景気動向と金融政策」「紛争や通商問題の深刻化」が、マーケットに影響を与えそうだ。
お客さまが相場動向に不安を感じる局面では、資産運用のスタンダートである「長期・積立・分散」という基本に立ち返ることが大切だ。
短期的な相場の動きは、誰にも予測できない。過去30年を見ると、少なくとも6回以上の金融危機があった。今後も、こうしたショックが起こり得ることを前提に、資産運用に取り組むべきだと考えている。
世界経済は緩やかに成長を続けている。長期的に投資をすれば、ショックの影響も一時的なものにとどまるだろう。資産のコア(中核)部分の資産運用は「長期・積立・分散」を意識し、相場動向を左右されず、淡々と投資を続けることが大切だ。
(出所)ウェルスナビ(クリックで表示) 日経平均株価が5万円台でもみ合う、現在の株価水準に対して高値警戒感を持っている投資家も多いようだ。そうした方には、定期定額で積立投資を行うことを勧めている。もし仮に株価が下落したとしても、より多くの株式を購入できるので、株価の回復期にその恩恵を受けることができる。
50代、60代で、定年が近づいてきたお客さまは、少しずつ相対的にリスクの低い債券の配分を増やすなど、資産比率を見直すことが必要になるだろう。定年後も仕事を続ける方も多いので、個々のライフスタイルに合った運用スタイルを見つけることが大切だ。
◆ウェルスナビ
(出所)ウェルスナビ(クリックで表示) ウェルスナビは2015年4月28日の設立で、創業10周年を迎えた。同社が提供するロボアドバイザー「WealthNavi」は、加入者数が約45万人(25年6月末時点)、預かり資産は1兆7000億円を超えた(25年10月27日時点)。
スマートフォンから簡単な五つの質問に答えると、リスク許容度を診断して、運用プランを提案してくれる。上場投信(ETF)を通じて約50カ国の1万2000銘柄以上に分散投資する。新NISAに対応した「おまかせNISA」は約11万7000人(25年6月末時点)が利用している。



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