“響くIR”をファンドマネージャーが解説=対話の裾野を広げ、内容を深化-東証と三井住友DSアセットがセミナー
2026年03月09日 07時00分
(永井氏) 東証と三井住友DSアセットマネジメントは、セミナー「機関投資家に“響くIR”と“議決権・エンゲージメント入門”」を共催で開催した。
相対的に規模が小さく、機関投資家との対話機会が少ない上場会社のIR(投資家向け広報)実務者から「機関投資家が企業のIR活動に求めていることを知りたい」とする要望が多く寄せられたことに応え、運用会社のファンドマネージャーと議決権担当者が講師を務めた。
◆企業価値の向上がリターンの源泉
三井住友DSアセットマネジメント 常務執行役員 運用部門長の永井尚人氏は、企業との対話の狙いについて「株式アクティブ運用は、投資先企業の価値が向上することでリターンを獲得している。そのため、対話を通して、ほかの市場参加者が見つけ切れていない企業価値を発掘し、企業価値向上のお手伝いをすることが重要だ」と説明した。
その上で「資産運用立国を推進し、日本の国力を高め、稼ぐ力を強めていく際に、その根本にあるのは、企業を中心とした価値の向上だ。私たちは、企業に寄り添って価値向上に協力していきたいと考えている」と述べた。
◆継続性、透明性、双方向性、戦略性が大切
(金子氏) 運用部シニアファンドマネージャーの金子将大氏は、IRについて「発行体と投資家をつなぐ橋渡しだ。IRが充実すると資本コストの低下につながり、企業価値向上に資すると一般的に言われている」と説明。「分かりやすく言うと、充実したIRにより、投資家はその発行体に『興味が持ちやすくなり』、『議論がしやすくなり』、『投資がしやすくなる』」と強調した。
その上で、機関投資家の意思決定プロセスや年間のスケジュール、投資家から評価されるIRのベストプラクティスなどを、具体的に話した。
IRのポイントについて「継続性、透明性、双方向性、戦略性が大切になる」と指摘。「投資家との建設的な対話を通じて、持続的な成長を実現してほしい」と述べた。
◆投資家と課題認識の共有を
(熊谷氏) 責任投資推進室 室長の熊谷茜氏は、始めに、アクティブ投資家が株主総会の会社提案に反対する理由について、「私たち機関投資家は、受託者責任があり、最終投資家のために資金を運用しているので、パフォーマンスをお客さまに返す必要があるためだ」と説明した。
その上で、機関投資家が遵守する国連のPRI(責任投資原則)や日本版スチュワードシップ・コード(「責任ある機関投資家」の諸原則)を紹介し、株主総会における議決権行使の考え方や、反対票を集めやすい議案について説明した。
熊谷氏は、対話(エンゲージメント)のポイントについて「投資家と課題認識を共有し、可能であればさまざまなポリシーやスタンスの投資家の意見を聞くことが大切だ。また、社内で投資家対応のキーパーソンを決めることも良いだろう」と述べた。



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