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上場200社、開示時刻繰り下げ=東証の取引延長で―9月中間決算

2024年10月12日 15時44分

決算開示資料などを配布する企業の担当者=2024年2月決算開示資料などを配布する企業の担当者=2024年2月

 上場企業約200社が、10月末から本格化する2024年9月中間決算の開示を従来の時刻から遅らせ、午後3時半以降とすることが12日、分かった。東証が11月5日から株の取引時間を30分延長し、午後3時半までとするのに対応した措置とみられる。現在、多くの企業の決算発表は取引終了後の午後3時~3時29分に集中しているが、延長後も終了後の開示を続けようとする姿勢は「投資家軽視」との批判を招きかねない上、開示が遅くなれば情報漏えいによるインサイダー取引のリスクを高める恐れもある。

 東証の取引時間延長が始まる11月上旬は9月中間決算発表の集中期に当たる。東証が10月3日時点でまとめた中間集計によると、今年夏に24年4~6月期決算を取引終了後の午後3時~3時29分に開示した1103社のうち、半数程度の約500社が従来通りの時間帯に開示すると答えた。一方、午後3時半以降に遅らせると回答した企業は2割の約200社に上り、午後3時よりも早めると答えたのは50社強にとどまった。

 東証はこれまで、上場企業に決算などの重要事項の「速やかな開示」を強く要請してきた。だが、「取引時間内に開示すると一部の数字が独り歩きし、株価に悪影響が及びかねない」(経営者)と警戒し、消極的な企業も多いのが実情だ。

 市場関係者は「資料開示後、経営者が迅速に会見を開いて説明すれば、投資家が一部の数字を早とちりしてしまう事態は避けられる」(運用会社ストラテジスト)と指摘しており、情報公開に対する企業側の姿勢が今後、厳しく問われそうだ。

 ◇東証の取引時間延長

 東証の株取引終了時刻を現在の午後3時から3時半へ30分延ばすこと。取引システムの更改に合わせ、11月5日から実施する。終了時刻を延長するのは1954年以来、70年ぶり。

 現在の取引は午前9時に始まり、1時間の昼休みを挟んで午後3時に終わる。取引時間は計5時間で、ニューヨーク(6.5時間)やロンドン(8.5時間)などの海外主要市場に比べ短いため、投資家の間では取引機会拡充を求める声が強かった。システム障害など万が一の事態が発生した場合でも、その日のうちに取引を再開しやすいように時間的な余裕を確保する狙いもある。(了)

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