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〔深読み米国株〕◎底上げ相場が始動…1~3月、NYSE総合指数が健闘

2024年04月01日 14時10分

AFP時事AFP時事

 史上最高値更新に沸く米国市場で、第1四半期(1~3月)にちょっとした「異変」があった。上昇率では、これまで上げ相場を主導してきたナスダック100指数をNYSE総合指数が上回ったのだ。NYSE総合指数はニューヨーク証券取引所の全上場銘柄を網羅し、大型IT銘柄の集中物色から幅広い銘柄が値上がりする全体底上げ型の強気相場へ流れが変わってきたようだ。

 1~3月はS&P500指数が上昇基調を強め、3月28日には史上最高値5264.85を付けた。昨年末からの上昇率は10.2%と2けたの急伸だった。一方、IT銘柄が中心のナスダック100も8.5%高と好調だったが、NYSE総合指数の8.7%高には勝てなかった。

 2023年はエヌビディア(NVDA)やアマゾン・ドット・コム(AMZN)、マイクロソフト(MS)など「マグニフィセント・セブン」の急伸からナスダック100は54%高と、S&P500の24%高やNYSE総合指数の11%高を圧倒した。しかし、アップルは今年3月まで3カ月連続安に終わり、テスラ(TSLA)は昨年末比3割安に沈んだ。

 アマゾンやマイクロソフトの月足チャートは右肩上がりを維持しているが、アップルの一方通行の下落ぶりを見る限り、アマゾンなども買いが途切れた場合に大幅な値幅調整に進展するリスクが意識されてくる。特にエヌビディアは1~3月で8割高と暴騰しており、いったん反動安局面に入った場合、他の大型IT株も巻き添えになる可能性がありそうだ。

 ただ、大型IT銘柄以外のセクターはここまで過熱していない。米国株メディア「バロンズ・ダイジェスト」は3月31日付で「第1四半期の株式市場は好調なスタート」と題する記事を配信。1950年から2023年までの第1四半期にS&P500が8%以上の上昇したのは16回あり、そのうち残り3四半期でマイナスになったのはブラック・マンデーのあった1987年だけだったことを指摘している。経験則通りなら、今年4~12月もS&P500は上値を追うことになる。

 NYSE総合指数はやや地味なため、ナスダック100指数やS&P500を上回るペースで上値を追ったとしても話題になりにくいだろう。しかし、構成銘柄の多いNYSE総合指数の上昇は米国株投資家全体の含み益膨張とその後の投資余力アップにつながる。(編集委員・伊藤幸二)

 

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